ターニングポイントは突然に

 
 
正しい情報が全ての国民に行き渡れば、
歯科医療は今よりもずっと
正しく行われるだろうか?

少なくとも、僕はそう信じているけれど。
正しい情報を伝えても、その情報を信じたくない、
受け入れたくない人もいて、
どちらかといえば、
そういう人の方が多いかもしれないのではないか?
と、この頃思う。

僕の患者にも、わかってはいるけど、
なかなかできないって人もいる。
その人は、ひたすら、応急処置ばかりで、

もう応急処置だけで7年以上通院していたんだけど、
最近ようやく、気持ちが固まったのか、
やっと根本治療を希望し、
今ではがんばって通院している。

最初の頃は時間をかけていろいろ説明したんだけど、
途中で気づいたんです。

人が何かを決めるのは、整合性や理屈だけじゃないって。

だから待つことにした。
目の前で。状況がどんどん悪くなっても、
もう待つしかないって。
もちろん、相手によりますけどね。

人間はね、そもそも不思議な生き物で、
わかっているけどできませんっていうの
沢山あるんだよね。

勉強とか、ダイエットとか、そうでしょ(笑)
わかっちゃいるけど、、、ね(笑)
最後は結局どこかで惰性的になる。

うやむやになるんです。

そして、
小さな問題が少しずつ積み重なって、
大きな結果が姿を現したときに、
初めて気づくわけですよ。

やばいってね。

で、どうする? 

積み重ねたのは問題だけではなくて、
目を背け続けた日々もだから、
いきなり問題に直面しても、
そりゃすぐには見つめられないわけです。

見る能力がそもそも養われていないわけですよ。
見たくても見れない。
再び目を背けたくなるのが当たり前なわけです。
そういう習慣をずっと続けてきたわけですから。

だって、 つらいじゃないですか。
目を背けた自分に直面するわけですから。
認めたくないでしょ。

で、どうなるか?

問題をすり替える(笑)
自分以外のせいにすれば話が早い。
あるいは、再び目を逸らしても問題が解決する方法を探す
努力しなくても成果が得られる方法を探すわけです。

短期的にはね、そういうのできるんです。
知恵と工夫で何とかなる。
そこは人間のすごいところ。

でもね、長期的には難しい。
長いスパンで見ると、
どんな問題もいつか必ず然るべき結果が待っている。

これは経営も同じ。一時的に利益を出すことと、
長期的に利益を出し続けることは
発想が全然違うわけです。

物事を考える時、「時間」の概念を持つか持たないかで、
思考の幅は全然違うんですね。

人生は限られた時間でできているわけで、
しかも、人間の身体は確実に劣化していくわけで。

「今」というポイントも大切ですが、
「流れ」という感覚はもっと大切なんです。

今が良くても、流れが悪けりゃ、悪いポイントにはまる。
で。はまったときにどうする?

人生にはそういう小さな分岐点がたくさんある。
ちいさな決断の積み重ねが、将来の自分を創る。

これ、説教じゃないですよ(笑)
仕組みの話。

少なくても、歯科医療においては、
そういう仕組みがすごくわかりやすく存在していて、
ほとんどの疾患は説明がつく。

なんでこうなったのか?
これからどうなっていくのか?

だいたい見えるわけです。

僕らはいつか死ぬ。
そこに向かうまでの間。
どう過ごすのか?

ちゃんと考えて出した答えなら、
それがたとえなんであろうと、
僕はいいと思う。

僕が歯科医師として、救いたいのは、 
そして実際救えるのは、

心の中にひとかけらでもいいから、

「ちゃんとしたい」

って気持ちがある人だけだと、
今のところ思ってます。
あとはご縁なので、流れに身を任せたいと思います。

それから、知れば変わる人、ちゃんといます。

これまでの自分を反省して、これまでの生活を見直して、
新たな未来に向かう人、昔よりずっと増えたと思います。

そこに、意識の進化を感じます。
社会の進化を。

これからの歯科医療は、
そういう人を中心に構成していくべきだと思います。

日本の歯科医療を変えるのは、
歯科医師ではく、
患者さんの意識。 
今の僕らはその火付け役みたいなもんかと。

まだまだ正しい歯科情報が行き渡っていない現状がありますが、
後は時間の問題かな。

あなたにとって、
良いご縁がありますように。

 
 
 
You have to learn to walk before you run.