予防歯科
虫歯や歯周病の本当の原因は、生活習慣と食習慣にあります。
また、各個人の年齢や免疫力にも大きく左右されます。
過去の歯科治療そのものが歯科疾患の原因になります。
無計画な治療を繰り返すことで歯を失うリスクがあがります。
各個人によって病気の傾向、社会生活の現状と現実、健康に対する考え方が異なるので、
予防方法は各個人に合わせた方法を確立しなければなりません。
理想論ばかりでなく、結果に結びつく予防法を実践する必要があります。
当院では、各種口腔内検査等により、歯質の状態、歯周病・虫歯のリスクデータを取得し、必要に応じて(患者様の目的と考え方に合わせて)治療を行い、
治療後の口腔内環境を維持継続するための予防プログラムを提供します。
PMTC(専門の機器を用いたクリーニング)やTBI(ブラッシング指導)、
食事指導、生活習慣指導を併用した予防プログラムを実践しております。
歯科疾患の悪循環
疾患発生から健康に至るまでの理想的な流れ
歯は治すものではなく、守るものです。
定期健診を行い、疾患につながる原因の早期発見、早期対策を実践し、健康を正しく維持しましょう。
各年齢に対する歯科対策
0歳~3歳
食習慣や歯ブラシの習慣をしっかり身につけることで、後々の口腔内管理が容易になります。できるかどうかよりも、少しずつ身につけていくことが大切です。食事(間食を含む)は時間を決め、毎食時の後は歯ブラシを持たせると良いでしょう。口腔内管理を習慣化することを心がけましょう。
3歳~6歳
乳歯が全て生え揃う3歳の時点で、食事や歯みがきに対する生活のあり方がどのように習慣付けられているかが問われます。特に親の考える生活教育のあり方がそのまま反映されますので、この時期の子供には、食事の後に歯を磨く習慣をしっかりと身につけさせることが大切です。また、かかりつけの歯科医医院との良い関係を持つことも、その後の口腔内環境を良くすることにつながります。不正歯列、不正咬合にも注意して検診を受けてください。
6歳~12歳
親の目が少しずつ子供から離れていく最初の時期であるため、生活習慣の一部は子供自身に委ねられていきます。この時期は、永久歯の生え変わりが始まる時期であり、永久歯は幼若であるため、虫歯にとてもなりやすい時期でもあります。
不正歯列、不正咬合に対しても注意する時期であり、矯正検診をお勧めします。この時期に、親と子供が、口腔内の健康や、歯みがきの大切さを理解し、歯科医院との適切な関係を築くことによって、将来的な口腔内環境の安定を得ることにつながります。
13歳~18歳
子供の自立性が芽生え、更に親の目が行き届かなくなる時期であり、大人になったときの状態がある程度予測できる時期となります。ある意味ここが大きな分岐点と言えるでしょう。
この時期に生活環境や口腔内環境が良好であれば、その後の口腔内管理は習慣付けられていくことによって容易になります。もしもこの時期に適切な環境が得られなければ、将来的なリスクを上げることになります。
永久歯が未発達である時期は特に虫歯に注意してください。
18歳~25歳
永久歯の石灰化はほぼ終了し、親知らずの萌出の影響を受け始める時期となります。噛み合せを含めた、各個人の特性が決まる時期です。この時期の口腔内環境はそれまでの生活環境や意識レベルが反映され、一つの完成を表します。
つまり、各個人の方向性が見えてくる時期でもあるので、将来的なリスクに対して予測が立て易く、対処し易い最後の時期となります。
25歳~35歳
それまでの生活環境や意識レベルがある程度出来上がっているため、口腔内環境の大切さについてそれぞれの見解の違いがはっきりする時期となります。
各個人の価値観で、歯科医院との関係性が決まるとも言えます。この時期に悪因子を残しておくとはできるだけ避けたほうがいいでしょう。
社会人として仕事で忙しくなる時期でもあり、健康の自己管理が疎かになり始める傾向があると言えるでしょう。
後々のためにも、歯科医院と良い関係を築き、将来的なリスクをできるだけ軽減できる計画的な管理をお勧めします。
35歳~50歳
口腔内の将来像が見えてきます。虫歯に対する配慮も大切ですが、歯周病や噛み合わせに注意を払ってください。将来歯を失いたくなければ、遅くてもこの時期までにしっかり考えることをお勧めします。
この時点で虫歯がなければ、生活習慣(食習慣やハブラシの内容など)に大きな変化がないかぎり、それほど虫歯に対する心配はしなくていいでしょう。もし虫歯が存在する場合は、早急に治療し、日常の生活習慣を改善することを提案します。
噛み合せの問題はこの期間内までに対処したほうが良いでしょう。放置してしまうと、後々の対処が困難になる場合があるからです。また、歯周病による影響が少しずつ現れる時期であるため、悪因子を早期に発見することで、将来的なリスクを軽減する事につながります。
この時期に対処を怠ることは、将来的に歯を失う可能性が高まります。
50歳~65歳
生涯において、入れ歯になるか、ならないか、歯で困るか、困らないかが更にわかる時期といえます。きちんと管理をしてきた人としなかった人の差がはっきりしてきます。つまり各個人の口腔内環境の管理結果が出る時期と言えるでしょう。
この時点で特に問題がなければ、将来的にそれほど心配することはありません。(定期的管理は必要です。)しかしもし、この時期に問題がある場合は、入れ歯やインプラント、ブリッジなどを含めた複雑な治療が必要になってきます。
その場合は、問題点を根本から見直し、対症療法のみではなく、計画性を持った包括的療法を行なうことを勧めます。
65歳以上
個人差にもよりますが、体力的、年齢的にも、長期的かつ複雑な歯科治療は身体にも負担をかけていくことになります。老後に備えて、口腔内の健康管理をしっかり行なうためにも、かかりつけの歯科医院とよく相談されることをお勧めします。
将来を見据えた治療を心がけてください
また他の疾患がある場合は医師との連携を考えなければなりません。全身の健康管理を含めた考え方が必要になります。基本的に年齢を重ねれば重ねるほど、長期的かつ複雑な治療は困難なるので、できるだけ早期の治療、早期の予防管理を心がけてください。
また、計画性のある治療、包括的治療を行なうことは、後々の負担を減らすことにつながります。一生涯、自分の歯が健康であるためにも、早期発見、早期治療、予防管理を大切にしてください。
歯は、適切に管理されることでいつまでも使用することが可能です。加齢と共に抜け落ちるものではありません。
まずこのことをしっかりと認識していただきたいと思います。
各個人、年齢、環境によって口腔内のコンディションは変化します。その変化を読み取りながら、歯科医師が適切な口腔内環境を提供し、患者側が維持継続していくための習慣を順守していただくことで、いつまでも健康な口腔機能を獲得できるのです。
予防歯科の料金表
クリーニング(PMTC) | 7,700円 (治療回数1回) |
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予防歯科についてよくある質問
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予防歯科って何ですか?何するの?
虫歯や歯周病などの歯科疾患にならないために、口の中の環境を整えるための処置を行います。最初に口の中のクリーニングを行い、各項目に準じて審査を行います。診査項目として、虫歯の有無、歯周ポケットの有無、歯の動揺、磨き残しの有無、顎関節の動き、噛み合わせの確認、過去の充填物、被覆物の状態を確認します。
各疾患をできるだけ早期に発見することで、治療の介入を最小限にし、問題を未然に防ぐための処置を行います。特に大切なことは歯の病的な動揺を早期に発見することです。歯の病的動揺を放置すると、歯を失う確率が高くなります。また、過去に根管治療を行っている歯は、定期的にレントゲンで歯根周囲の骨の破壊が生じていないかどうかを確認する必要があります。歯に関連する疾患のほとんどは、問題の進行度と痛みや症状が一致しません。
痛みが出た時にはすでに手遅れとなり、抜髄(歯の中の神経を取り除くこと)、抜歯となるケースも少なくないのです。また、詰め物や被せものを長期使用すると、必ず噛み合わせのズレが生じます。このためある特定の歯だけに力がかかりすぎてしまい、歯周病や歯根破折、しいては顎関節症を引き起こすことがあります。そのため、事前にそのズレを発見し、必要に応じて詰め物や被せ物を削り、噛み合わせを最適化しておくことが大切です。
また、日常の歯磨きがしっかりできていない場合は、正しい歯磨きの方法を指導したり、食事の改善を促します。歯は治すものではなく守るものです。歯を治療することはできるだけ避けるようにしてください。治療とは正しい予防環境を手に入れるための手段でしかありません。治療より予防が大切だと考えましょう。
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毎日の歯磨きだけでは虫歯や歯周病を予防できないの?
一般的にはかなり難しいでしょう。まず、歯磨きを完璧に行うことができないからです。誰しも必ず磨き残しが生じてしまいます。歯磨きだけで全ての虫歯、歯周病を防ぐことはできないのです(ただし条件が整っていれば可能です。条件として、歯を全く治療せず、理想的な歯並び、噛み合わせを持ち、就寝時の食いしばり、歯ぎしりがなく、糖をほとんど摂取しない方であれば、歯磨きだけでも十分予防できると考えられます)
虫歯の原因は虫歯菌と糖です。特に糖の摂取は虫歯の大きな原因となります。虫歯を予防するためには、糖の摂取をできるだけ控えることです。歯磨きは、虫歯になるまでの時間を遅らせることはできますが、糖を摂取し続ける限り必ず虫歯になる日が来るということです。
虫歯になるほどの糖の摂取量については個人差があるので、一概には言えませんが、現代はとにかく糖があらゆる食品に添加されています。加工食品には特に注意して下さい。歯周病の主たる原因は歯周病菌と歯にかかる余計な力です。残念ながら歯磨きだけで歯周病菌を完全に排除することはできません。また、歯ぎしりや食いしばりの頻度によって歯周病が進行する場合も少なくありません。このような場合は予防として就寝時のマウスピースが必要です。悪いかみ合わせのままに過ごしてしまうと、歯磨きをいくら頑張っても歯周病が進行してしまうことがあります。このため噛み合わせに問題が無いかどうかを定期的に確認し、必要に応じて咬合調整を行う必要があります。噛み合わせは経年変化するので、今現在大丈夫だから問題ないということではありません。さらに、唾液の分泌量は虫歯や歯周病に大きく影響します。分泌量が少ないと、虫歯や歯周病にかかりやすく、口臭の原因にもなります。
歯の健康を守るためには、まず食事と歯磨きの内容と頻度、さらにはかみ合わせの管理、歯ぎしりや食いしばりに対する対処が必要です。歯の問題は様々な要素が関係して起こるので、歯磨きだけで虫歯や歯周病ができることはありません。
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歯が痛くなくても歯医者に通ったほうがいいの?
歯の問題のほとんどは、痛みと病気の進行度が一致しません。
痛みとは病気そのものではなく、病気を伝えるための反応にすぎません。
また、痛みのシステムは様々な過程を持つゆえ、必ずしも病気と同時進行するとは限らないのです。
痛みがあっても問題ない場合もあれば、痛みが無くても病気がかなり進行していることもあります。例として、虫歯で痛みを感じる頃には、すでに歯の中の神経まで到達していて、神経を取り除かなければならないケースも少なくありません。また、歯周病は沈黙の病気ともいわれており、ほとんど痛みを感じないまま、歯周組織が破壊され、抜歯となることがあります。このように痛みの程度と、病気の進行度が一致しないことが多々あり、感覚だけで決めてしまうと手遅れになることが良くあります。
虫歯や歯周病は誰にでも起こる事であり、特に過去に歯科治療を施している方は、さらにリスクが高いので、定期健診を受けることで、病気の早期発見、早期対処を可能とします。これにより、歯科治療の介入を最小限にし、生涯における歯科疾患のリスクを最小にすることができます。
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電動と普通の歯ブラシどっちがいいの?
電動歯ブラシは、細かい動きができません。歯の表面を磨くのであれば悪くはないですが、そもそも、歯の表面より、歯と歯の間の谷間、歯と歯肉の間の溝、歯の咬合面の溝を磨くことが重要です。そうなると電動歯ブラシでは大雑把な磨き方になるので、細かい動きを行うためには手で行う通常の歯ブラシが優れています。ただ、これはあくまでもきちんと歯磨きを行えることが条件ですから、歯ブラシを正しく動かせない人の場合は、電動歯ブラシを使用する方が有利な場合もあります。電動歯ブラシの選び方としては、回転型より超音波型を推奨します。また、電動歯ブラシであっても、歯に対して正しく充てる必要があるので注意してください。自分に合った歯ブラシと方法について歯科医師や衛生士に相談することも大切です。
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予防歯科はどれくらいの頻度で通えばいいですか?
基本的に3〜6カ月に一度で良いでしょう。
患者さんそれぞれに予防処置の内容が異なるので、現在の状態や治療後の傾向などを踏まえて歯科医師や衛生士と相談の上決めるようにしてください。また、日常の生活習慣こそが予防の基本ですから、自信が無い場合や、なかなか日常の生活を改善できない場合は一カ月に一度でも構いません。
そして、通院を重ねるうちに、自己管理がきちんとできるようになれば、定期健診の回数を減らしても大丈夫です。
歯科医院側と二人三脚で歯の健康を守る。このような考え方で定期的に検診を受けるようにしてください。
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虫歯予防にフッ素は有効ですか?
正しく用いるのであれば有効ですが、形骸的な使用では効果がありません。
食事の改善、日常の生活習慣がきちんとできていないとフッ素の効果はほとんど期待できません。あくまでも補助として使用するものであり、フッ素を塗布すれば安心だという考え方は禁物です。歯質を強化し、虫歯になりにくくなるという考え方は正しいですがあくまでも条件が揃っている場合において有効です。条件を満たさないままにフッ素を塗布しても意味がありません。フッ素塗布を行う事よりも、糖質をきちんと制限し、食後の歯磨きをきちんと行うことを心がけてください。
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予防に通っていても防げないものはありますか?どうしたら防げるようになりますか?
定期健診と予防処置を行えば、一般的な虫歯や歯周病はほとんど予防できます。
ただし、就寝時の食いしばりや歯ぎしりによる歯の破折、神経を取り除いた歯の再感染は必ずしも防げるとは限りません。過去の歯科治療の質の良し悪しによってもリスクは変動します。これらを防ぐためには、ただ定期健診に通うのではなく、歯科医学に基づいた、予防効果をもたらす口腔内環境を手に入れることが先決です。予防管理を前提とした、歯科治療を一貫して行い、治療後に予防管理を中心とした歯科医療を続けていくことで将来的に歯を失う確率はかなり下がります。
生活習慣に起因する病気や疾患については、日常生活の在り方に左右されるので、予防処置だけでは防げません。予防処置だけでなく、病気や疾患につながる生活習慣を改善することが最も重要です。
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予防歯科に痛みはありますか?
予防歯科は基本として検査と予防処置、生活指導を行います。予防処置の内容としては、歯と歯肉のクリーニング、歯石を除去、フッ素塗布、簡単な噛み合わせの調整などが挙げられます。歯石を除去する際、口の中の状態によっては歯が沁みたり、歯肉に痛みを感じることがあります。
このような場合は痛みを有することがありますが、その場合は局所麻酔を用いて痛みが出ないように行います。基本的に痛みを起こすような処置はしませんが、全くないというわけでもありません。痛みを有する可能性があると判断された場合は、事前にお伝えします。
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定期検診では何をするの?
虫歯の有無、歯周病の有無、歯周病の進行度の確認、歯垢の分布を確認、噛み合わせの確認、修復物や充填物に劣化、隙間が無いかどうかの確認、過去に神経を取り除いている歯の感染の有無の確認(レントゲンにて確認)、歯磨きがきちんとできているかどうかの確認、補綴物周囲の食物の流れの確認などが挙げられます。定期健診では歯や歯肉が健全であるかどうか、過去の治療が現在もきちんと機能しているかどうか、将来起こりえる疾患の種はないかどうかを確認します。
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朝と夜だけの歯磨きでも大丈夫でしょうか?
口に何か入れて咀嚼したのであればそれは食事です。必ず食事の後に歯磨きを行ってください。また、糖を含んだ飲料水は、歯面に糖を停滞させるので、この場合も歯磨きを行うことを推奨します。
糖を含んだ食事を一切取らないのであれば、虫歯になる可能性はかなり低いので、虫歯予防としての歯磨きはほとんど必要ありませんが、歯磨きをきちんと行わないと口臭や歯周病の原因にはなるので、昼食後も必ず磨くようにしてください。
ほとんどの日本人は歯を大切にする文化を持っていません。歯を大切にするための文化、風習が無いと言っても過言ではありません。その根拠として、全国的に小学校、中学校、高校で昼食後の歯磨きを推奨している学校がほとんどないこと、会社等でも、昼食後の歯磨きを行う人がほとんどいません。また、歯科医院は歯が痛くなってから行く人がほとんどで、歯は治療すれば良いと考える人たちがほとんどです。老いとともに歯を失うのは仕方がないと考える人たちも少なくありません。何より、現在の歯科医療制度が50年前からほとんど変化していない事実があります。
多くの方々が、いまだに昭和の時代の感覚で歯を捉えているのが現状です。
その結果、全国的に歯を失う人が後を絶ちません。
現代の食事は、糖質や添加物にまみれていて、歯だけでなく、身体の健康にも大きな影響を及ぼしています。歯や歯肉の病気は、まさに生活習慣病であり、食事の在り方が健康に大きな影響を及ぼします。歯を大切にするためには、歯を食後に必ず磨く意識を持つことが大切です。
外出先でなかなか歯が磨けないこともあるでしょう、たまにできないくらいならさほど影響はありませんが、食事の回数が多い現代の生活の中で、朝と晩だけ磨けば良いという感覚は禁物です。