一般歯科

M.I(Minimal Intervention):これはできるだけ歯を削らずに治療することを基本とした考え方です。

2000年に初めてFDI(国際歯科連盟)が提唱したMinimal Intervention(最小の侵襲)概念であり、2002年10月に開催された第90回国際歯科連盟世界会議の総会において、新たに採択された虫歯治療(齲触管理)に対する公式声明です。

つまり、これが世界のスタンダードです。

歯科治療の大原則

痛みや症状を解決するためだけに歯科治療を繰り返し行うと、いずれは問題が大きくなり、複雑化してしまいます。大きな問題になればなるほど、複雑化すればするほど、治療期間、治療費は増大し、最悪の場合、解決できなくなります。

人生において「歯科治療」はできるだけ避けるべきものであり、歯科治療を行えば行うほど、歯を失う確率が上がります。痛みや症状を解決するためだけに歯科治療を行うと、いずれは問題が大きくなり、複雑化してしまいます。だからこそ、将来のことを考えた、合理的な歯科医療の選択をお勧めします。

歯に関わる疾患(虫歯や歯周病など)の多くは、原因が多岐にわたり、また、症状と疾患の進行度が同期しないケースが少なくありません。つまり、皆さんが虫歯や歯周病に気づいた時は、すでに疾患が進んでいる状態であることが多いのです。痛などの症状や違和感は、疾患を表す一部であり、疾患そのものではありません。

歯の治療を行ってもなかなか改善しないと感じる方や、いつまでも歯の治療を続けている方は、歯に関わる問題について根本的に考えていない傾向があります。

「歯」はそもそも一生涯機能する臓器であり、加齢によって抜け落ちるものでありません。
歯を失う原因は、各個人によって様々であり、最大の原因は「歯科治療」そのものです。

では、どうすれば良いのか?

それはまず、自分の歯について正しく知ることから始まります。
自分を正しく知り、自分に合った予防対策をたてること。
歯科治療とは予防対策を実現する環境づくりでしかないのです。
本当の歯科医療の目的は、歯が生涯健全に使えるようにあなたの手助けをすることです。

歯科治療とは

これまでの虫歯治療

  • すべての患者に同じような治療を行う
  • 疾患の原因について考えない
  • 再発を防ぐための方法を考えない
  • 痛みや症状を解決するためだけに治療する

これからの虫歯治療

  • 患者一人ひとりにあった治療を行う
  • できるだけ歯を残す
  • 根本的な原因を究明し、再発を防止する
  • 再発防止のための予防管理計画をたてる。
  • 予防管理計画に沿った治療法を選択する。

できるだけ歯を削らない、できるだけ歯の中の神経を取り除かない、とにかく歯を保存することに全力を尽くすことが、虫歯治療に対する現代の基本姿勢です。虫歯の性質は、年齢や各個人の傾向によって異なるので、一人一人に合わせた方法を選択することが理想的です。

虫歯治療を成功させるために

一人ひとりにあった治療を行うこと、原因と傾向をきちんと診査、診断すること。患者の考え方や目的をはっきりさせて治療法を選択することが大切です。

また、虫歯治療に対する考え方は歯科医師によって変わることがあります。治療を行う前に歯科医師の考え方をきちんと確認することをお勧めします。

特に、安易に歯の神経を取り除いてはいけません。歯の神経を取り除いてしまうと、将来その歯を失う確率が上がります。歯の神経を取らなければならない場合は、その理由と展望について、歯科医師から十分な説明を受けてください。

そして、保険治療で行えること、行えないことや、各治療法のメリットとデメリットなどをしっかりと説明を受けた上で、医師と話し合いながら治療についてお互いに理解を深めていくことをお勧めします。

同じ歯に何度も治療を無計画に繰り返していけばいくほど、その歯を失う確率が上がります。歯科治療は目的、目標を持ってしっかりと計画を立てましょう。

虫歯や歯周病に至った原因を明らかにし、対策を立てなければ、どんなに上手な治療を施しても、必ず再発します。歯を大切に保つためには、治療の技術や、使う材料の良し悪しだけではなく、虫歯になった原因を 取り除き、治療を繰り返さないことが何より大切です。そのためには、患者さん自身が、ご自分の歯の問題についてよく知ることが大切です。

当院では、患者さんが理解し、納得できるまで説明させていただきますので、疑問に感じたこと、不安に感じたことなど、なんでもおっしゃってください。