矯正治療
病気のリスクを下げる
美しい歯並びと、理想的な噛み合せは、歯を失うリスクを回避します。
叢生(歯が重なるように並んでいる状態)は、食物が複雑な歯と歯の隙間に停滞し、歯ブラシでは上手く取り除けなくなるので、虫歯や歯周病の原因となります。
悪い噛み合せは、噛む力が均等にかからないので、歯牙によって力を強く受けてしまい、咬合性外傷(歯周病)や顎関節症の原因となることがあります。特に、歯周病は、悪いかみ合わせが原因であることがほとんどです。
きちんと通院しているにも関わらす歯周病が治らない方には、矯正治療を検討することが必要です。
ある統計によれば、80歳以上で20本以上歯がしっかり残っている人の歯並びは、そのほとんどが正常歯列であり、噛み合せも適切な関係であると伝えています。
時々、「歯はそれほど磨いていないけれど虫歯になったことがない」などという方がいらっしゃいますが、実際に覗いてみると確かに、理想的な歯並びと噛み合せである場合がほとんどです。
理想的な歯並びと噛み合せは様々な恩恵をもたらします。
歯周病予防、歯周病治療に効果的
毎度の歯みがきを完璧に行なうことは非常に難しく、定期的に歯科医院で歯のクリーニングを行なわなければなりません。
理想的な歯並びと噛み合せであれば、歯ブラシやクリーニングが容易となり、普段の管理がとても行ない易くなります。
上下顎犬歯を理想的な関係に導くことにより、歯ぎしり時の小臼歯、大臼歯にかかる側方力を軽減し、咬合性外傷によって歯を失うリスクを減らすことにもつながります。
アメリカでは歯科治療が高額であるため、できるだけ将来のリスクを回避するために子供の時から矯正を行う傾向にあります。そのほうが後々かかるコストが少なくなると考えるからです。
勿論、矯正費用は高額であり、時間もかかることから一般的にはそれほど必要とされない見方もあるでしょう、しかし、矯正方法にもいろいろと種類があり、早い段階であればそれほど費用がかからない場合もあるので、気軽に相談してみるのをお勧めします。
一生涯という長い視点から考えれば、病気になってから入れ歯やブリッジ、インプラントに費用をかけるよりも、
あらかじめ矯正治療を行うことで将来のリスクを下げるほうが費用対効果は大きいでしょう。
矯正治療の種類と様々な活用法について
部分矯正
必要な箇所だけを部分的に治していく矯正歯科治療です。
全体的な矯正に比べて費用も抑えられます。
治療期間は最低3か月~1年を目安にしてください。(保定期間を除く)
部分矯正で治療できないケースもあります。
こんな方は、ご利用ください
- 前歯の傾き、突出、凹凸を改善したい
- 歯と歯のちょっとしたすき間を埋めたい
- 前歯だけが気になる方
- 仕事や学校が忙しく、治療時間が取れない、治療費を抑えたい方
- 過去に行った矯正治療の部分的なやり直しとして
- インプラントや審美歯科などの一般治療前のスペース確保
部分矯正の条件
- 叢生の程度が軽度~中度であること
- 部分矯正を行えるスペースが十分にあること
- 奥歯のかみ合わせが良好であること
- 上下の歯が垂直的、水平的にズレがないこと
- 上下のアゴの骨格的バランスが悪くないこと
- 治したい箇所以外の歯並び、かみ合わせに問題がないこと
- 歯周組織に問題のない方
- 成人であること(成長過程にある方は部分矯正をお勧めしません)
全顎矯正
全顎矯正は上下すべての歯を動かして歯並びとかみ合わせを治す矯正方法で、最もバランスの良い治療ができます。全ての歯に矯正装置を付けるので、歯を動かすための固定源(アンカー)が得られやすく、歯並びを全体的に調整しやすいのが特長です。
部分矯正に比べて、かみ合わせ全体の根本的な改善がしっかり行えます。すべての歯に装置を取り付け、ワイヤー(針金)で歯を動かしていきます。必要に応じて他の装置も組み合わせることで奥歯のかみ合わせと前歯を含む全体の歯並びを治していきます。
こんな方は、ご利用ください
- かみ合わせや歯並びを根本的に改善したい
- 歯科治療にかかる費用を抑えたい
- 歯周病がいつまでも改善しない
- 部分矯正、マウスピース矯正では改善できないケース
全顎矯正の条件
- 年齢に関係なく行えます
- 歯を支える骨、歯根、歯肉が健全である
- 虫歯がない、あるいは虫歯の治療がきちんと終了している
- 患者の治療への協力意識がある
- 金属アレルギーがない
目立たない矯正
マウスピース矯正
取り外しのできる透明のマウスピースを装着することにより歯を動かしていきます。当院では、2つのシステムを導入しています。透明なマウスピース型の矯正装置なのでほとんど見えません周囲の人に気づかれずに歯並びを矯正することができます
目的、症例に合わせて、「インビザライン」と「アソアライナー」という2つの装置から選んでいただいております。
マウスピースは透明素材なので、気づかれる事はほとんどありません。
金属部品を使用しない為、金属アレルギーの方でも安心です。取り外せるので食事もストレスなく美味しく頂け、歯磨きも普通に行えます。取り外して洗浄できるので、衛生的です。
ただし、ワイヤー矯正に比べて、全ての症例に適応する方法ではありません。アソアライナーは比較的軽度な前歯の矯正治療(乱杭歯や空隙のある歯列の閉鎖等)が主な対象となります。当院では比較的軽度な症例についてはアソアライナーを推奨しています。
「インビザライン・システム」は米国アライン・テクノロジー社が1999年に米国の矯正歯科医師を対象に提供を始めたマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置です。透明で目立ちにくく、取り外し可能な矯正装置として、世界80ヶ国以上の国々で使用されています。そしてこれまでに400万人を超える患者様が治療を受けられ、世界一の治療実績を誇るマウスピース矯正です。
豊富な臨床データを基に数多くの研究が行われており、システムは日々進化しています。近年、「中~重度の前突」「歯が大きくて叢生が強い、」「抜歯が必要」なケースなど幅広い症例にも対応できるようになりました。歯並びの状態(難易度の高い症例)によっては、短期間、部分的にゴムやワイヤーを併用することで、治療期間の短縮、確実性の向上を図ることが可能となります。
治療前には3Dシミュレーションソフト「クリンチェック」を用いて治療計画を立てます。治療後のゴールを事前に把握することが可能であり、治療開始から完了まで、どのように歯が動いていくのか、インビザラインの治療効果を患者様にご確認いただけます。
「クリンチェック」で治療計画を様々な角度から詳しくご確認いただいたうえで、治療を始めるかどうか患者様にご判断頂くことができます。万が一、「クリンチェック」で理想とする歯並びにならないことがわかれば、矯正治療を行わない選択をして頂くこともできます。
舌側矯正
インコグニートシステムとは
カスタムメイド舌側矯正歯科装置(インコグニート)・リンガルブラケットシステムは、100%フルオーダーメイドで作られます。コンピューターが歯型の模型を3次元的に解析し、(3Dスキャン)その位置情報から、ロボットがワイヤーを作製します。ロボットが作製するワイヤー形状は、太さの異なる最初のワイヤーから最後のワイヤーまで全く同じ形状でコピーして屈曲されており、誤差は極めて小さく正確に形態が再現されます。このシステムにより歯をむだな動きなく理想的な位置に並べていくことが可能になります。
インコグニートの作製は、現在ドイツのバドエッセンの工場で行なわれています。患者様の歯型とかみ合せの記録をとってから装置のセットまでは、約5週間のお時間を頂く事になります
利点
- 装置が歯の裏側に付きますので外側からは見えない
- 周囲の人に気づかれずに矯正治療を行うことができる
- 表側の矯正に比べて虫歯になりにくい
- 装置が外からの衝撃によるダメージを受けにくい
- 前歯のコントロールが行いやすい
欠点
- 食べ物がひっかかる、取りづらい
- 矯正開始当初は発音がしづらくなる
- 舌の悪癖が治しやすい
- 治療期間が頬側矯正(表側矯正)より長くなる
- 症例によっては、頬側矯正(表側矯正)より良好な結果が得られない
- 当院ではインコグニートシステム(カスタムメイド舌側矯正歯科装置)を導入しています
インプラント矯正
インプラント矯正とは矯正治療の時、矯正用インプラントを使って歯を動かす方法です。
利点
- 治療期間を短縮できる
- 矯正装置を最小限にできる
- 抜歯をせずに矯正治療をできる場合がある
- 矯正の治療期間を短くできる
- 複雑な装置を使わないで済む
- 動かしたい歯だけを動かすことができる
- 虫歯のリスクを減らせる
- これまで難しいとされたケースを簡易的に解決できる
欠点とリスク
- 麻酔が必要
- 脱離や破折の可能性がある
- 取り除く必要がある
- 歯を傷つけるときがある
矯正治療の注意点
矯正治療はあくまでも目的を達成するための手段でしかありません。また、矯正治療のみでは絶対にできないことも多くあります。理解していただきたいことは、歯科治療の方法の一つとして矯正治療があり、歯科治療とは、様々な治療を組み合わせて行われるものだということです。
歯や歯周組織、しいては顎関節を正しく機能させるためには各個々人に必要な環境や条件があります。矯正治療だけで十分な人もいれば、矯正治療以外の治療を組み合わせなければならない人もいます。
モウリデンタルクリニックの矯正治療について
モウリデンタルクリニックは、「歯科医学的に正しいことだけでなく、患者さんにとって正しい事」を大切に、治療計画のご提案をしています。どのような動機があって、どのようなことを目的に治療に臨むのかをお伺いした上で、最終的なゴールを最初に患者さんと共に設定します。
当院の特徴
機能性・安定性を重視した見た目だけでない歯を
歯は見た目の印象にも大きく関わりますが、機能性や安定性も身体の健康にとって大切な要素を担っています。見た目だけにとらわれず、日常生活の中で不都合がないかなど総合的に考えた治療をご提供します。
必要に応じて矯正治療以外の治療法をご提供
必要に応じて矯正治療以外の治療法を矯正前、あるいは矯正後にご提供するなど、矯正学だけにとどまらず歯科医学全般を通じて包括的、総合的な治療計画を立てています。
患者様の目線にたった治療計画を
当院で大切にしているのは「患者様にとって正しいこと」です。歯科医学的な観点からのご意見を出したり、知識を共有したりすることはもちろんですが、その上で「患者様ご自身がどうしていきたいか」という思いもご共有していただくことで、よりよい治療をご提供したいと考えています。
矯正料金について
部分矯正 | 165,000円(税込)~ |
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全顎矯正 | 880,000円(税込) |
マウスピース矯正(上顎、あるいは下顎のみ) | 550,000円(税込)~ |
マウスピース矯正(全顎) | 1,210,000円(税込)~ |
インコグニート | 1,650,000円(税込) |
インプラント矯正 | 330,000円(税込)~ |
毎月一回の調整料(ワイヤー矯正) | 5,500円(税込) |
※症状によって金額が変わります
当院での矯正治療の流れ
01ご予約お問い合わせ
まずはお電話(03-3446-1671)もしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。ご来院日を決定します。
02問診票記入、ヒアリング
診察当日、受付をしていただいた後に問診票の記入をお願いします。このときに気になっていることなどもお聞かせください。
03診断(CT撮影など)
お口の中がどのようになっているのか具体的に診断していきます。目視だけでなく、CT撮影などを使って歯の生え方なども詳しく見ていきます。
04診断結果と治療計画の提案
まず患者様に診断結果をお伝えいたします。画像などを使いながら、今お口の状況がどのようになっているのか歯科医師から説明させていただきます。
口腔内は歯の生え方や歯茎の状況など、人によって様々です。また矯正は日常的に装置をつけなければいけないため、患者様のライフスタイルやお仕事状況なども大きく関わってきます。そのほか患者様ご自身のご希望もお伺いしつつ、それらをトータルで考えて、治療計画のご提案をさせていただきます。
05矯正治療開始
お口を清潔に保つための知識や歯ブラシ方法をレクチャーした後、矯正治療を開始します。矯正治療中は定期的に来院いただき、歯の動き方などにあわせて治療を進めていきます。
06保定
装置を使っての矯正治療が終わっても、治療完了ではありません。矯正直後は歯の周りにある骨が安定していないので、歯が元の位置に戻ろうとます。そのためリテーナー(保定装置)を使って保定していきます。
定期検診で歯の位置が安定してきたと判断したら、少しずつ器具の装着期間を減らしていきます。
07定期検診
歯は矯正した後も、身体の歪みや日常動作の中でかみ合わせがずれたり、歯並びが崩れたりすることがあります。そのため矯正治療後も定期検診をおすすめしています。
不具合が少ないうちから定期的に対応しておくことで、きれいな歯を長く保つことができます。
わかりやすい例を挙げましょう。
矯正治療を行う前に、奥歯に詰め物や被せ物があるとします。
一般的に、矯正医は歯をほとんど削りません。歯を動かすことを専門にしているので、動かすことしかしません。奥歯の詰め物や被せ物は、矯正治療前の歯並びに合わせて作られているので、新しい歯並びには適合しないのは明らかです。
新しい歯並びに合わせた詰め物、被せ物が必要となりますが、多くの矯正医はその対策をしません。奥歯のかみ合わせが、矯正医から見て良い状態だったとしても、かみ合わせに詳しい歯科医師から見ればあまり良い状態ではないことがしばしばあります。
現実として、矯正を専門に行う歯科医師と、総合的に治療を行う歯科医師には、知識と見識に大きな隔たりがあります。だからこそ、矯正医だけでなく、かみ合わせなどを総合的に診断できる歯科医師の存在が必要なのです。
また、最近では様々な矯正方法が確立され、以前よりも審美的に、短い期間で治療を行えるようになりました。しかしながら、どんなに技術が発達しても、歯科医療そのものの「本質」は変わりません。診断や目的を間違えてしまうと、かえって問題を大きくすることになります。
あらゆる視点から考えて、あなたにとってどのような矯正法がふさわしいのか?歯科医師と十分に話し合い、理解した後に矯正治療を行うことをお勧めします。
矯正Q&A
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歯並びがよくないと治さないといけないのでしょうか?
歯並びがよくないと、歯の隙間が多くなり歯垢が溜まりやすくなってしまうので虫歯や歯周病のリスクが上がってしまいます。虫歯や歯周病が悪化すると歯を失う原因にもなります。
歯がなくなると、見た目が悪くなるだけではなく、かみ合わせが崩れるほか、発音が悪くなるなど機能面にも影響を及ぼします。さらに口周りだけでなく、食べ物の消化が悪くなったり、身体のバランスが崩れたりするなど全身に作用します。
統計では、80歳以上で残存歯の数が多い人ほど、噛み合わせも正しい状態であることが示されています。歯並びを機能的に整えることで、虫歯や歯周病のリスクを減らし、将来起こりうる疾患を予防することができるのです。頭部バランス、口腔の健康を正しく保つことが、心身ともに健康で生活の質を向上させることにつながります。
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矯正治療はいつ頃から始めるといいのですか?
矯正治療の開始のタイミングは一概に年齢で決めるということではなく、様々な要素を考慮して検討する必要があります。
一般的に“永久歯の前歯が生えた頃”とか“大人の歯がはえそろった頃”と言われていますが、歯並びやかみ合わせの状態によって治療を開始するタイミングは異なります。また、矯正治療は患者さんの協力がとても重要になるので、その協力が得られないまま治療を行うと、かえって状態が悪化することもあります。
小さなお子様や、矯正治療に積極的でない場合は、開始のタイミングを慎重に決めなければいけません。ただし、かみ合わせが原因で顎の成長方向がずれている場合などは乳歯の時期でも治療を始めることがありますし、適切な治療開始時期まで治療をせずに様子をみることもあります。
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治療期間はどれくらいですか?
治療を受けられる方の年齢や、かみ合わせの状態によって異なります。
簡単な装置を使って短期間で終了する場合もありますし、成長発育を治療に取り込む場合、治療期間が伸びることもあります。また治療を数回に分けて実施することもあります。
ほとんどの場合、診査時におおよその期間をお伝えすることが可能です。ただし、気を付けていただきたいのは、治療期間は「歯を動かす期間だけ」ではありません。
歯を動かした後も、歯が後戻りしないように、保定装置を歯に付けたり、日中も使用する期間があります。人によってはこれも治療期間と捉える方がいます。歯を動かす期間と、歯と留めるための装置を使用する期間の両方を確認することをお勧めします。
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治療中の痛みはありますか?
矯正治療は、まったくの無痛ではありません。しかし、いつも痛いわけではありません。矯正治療の痛みは、装置を介して歯の根っこ(歯根)に矯正の力がつたわり、顎の骨の中を動く時に生じる痛みです。特に装置を最初に用いる時や、ワイヤーやマウスピースを交換した初日から次の日までが痛みを伴いやすいでしょう。
痛みの程度には、個人差がありますが、矯正の力は2、3日で弱くなるので痛みもそれに伴い消えてしまいます。痛みをコントロールする方法として、矯正力を強くかけ過ぎないようにしたり、段階を踏まえて徐々に矯正力をかけるようにしたりすれば、痛みは最小限で済みます。また痛み止めを服用することもあります。
矯正開始から2週間ほどは、痛みを伴うことが多いですが、それ以降は一時的な軽度の痛みで治まります。できるだけ痛みをコントロールすることも矯正治療では大切な要素です。
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治療中、普段の生活で制限されることはありますか?
取り外しのできる装置ではほとんどありませんが、固定式ワイヤーの装置(マルチブラケット装置)をつけた状態で、装置にくっつきやすいガム、キャラメル、などの食事は控えた方がよいでしょう。
また固定式ワイヤーの装置は、基本的に歯に専用の接着剤で貼り付けていますが、矯正治療の終わりに、装置を外さないといけません。そのために、他の歯科治療でお口の中に入れる、つめもの(インレー)やかぶせもの(クラウン)と違って、ある程度以上の強い力が加わると、外れてしまいます。そのため固い食べ物を食べると、装置が外れてしまったり、破損したりすることがあるので注意が必要です。
その他、格闘技など接触系のスポーツを行う場合や、吹奏楽器の種類によっては治療に影響を及ぼすこともあります。制限内容は各個人の生活習慣や生活背景によって異なるので、担当の歯科医師としっかりと話し合うことをお勧めします。
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歯並びを治すために歯を抜かないといけないのですか?
精密検査の結果、歯と顎のバランス、口唇の突出度等を総合的に診断し、歯を抜いて治療した方が安定し、残りの歯を守ることになるなど「良い結果が得られる」と考えられる場合は、その旨をご説明し、ご理解いただいた上で抜歯を行うこともあります。
また、歯を抜くことで口の中が狭くなり、舌の運動を妨げるなど呼吸に悪影響を及ぼすことがあります。歯を抜くことのメリットとデメリットを正しく理解したうえで、本当に歯を抜く必要があるのかどうかを判断しなければいけません。
矯正治療のための抜歯については歯科医師によっても方針が異なることが少なくありません。最初の説明で納得がいかないのであれば、他の矯正医に相談することもお勧めします。
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歯磨きがしにくそうですが、虫歯になったりしませんか?
矯正治療を始める前に、必要な要項があります。「食生活の改善、歯磨きの改善、何より歯の健康を維持するために必要な知識を得ること」です。矯正で歯並びやかみ合わせを改善することは良いことですが、そもそも歯科治療を行う前提として、日常生活を改善しないまま矯正治療を行えば、さらに虫歯や歯周病を誘発することとなります。
これを防ぐため、治療前に歯磨きのチェックをしたり、唾液の量や細菌の量を調べたりします。その結果をふまえて歯磨きの練習や食事の指導を受けていただくことで、日常のケア技術、知識を身に着け、口腔内をできるだけ清潔に保っていただけるようにご協力いただきます。
ただし、セルフケアには限界があるので装置が入ってからも定期検診を行うことが大切です。
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歯周病対策としての矯正治療とは?
歯周病の主な問題は、歯根に存在する歯根膜の炎症です。その原因は歯周病菌と歯根膜に加わる異常な力。口の中の清掃状態や、歯並びが悪いと、特定の歯に異常な力がかかり続けてしまいます。すると歯根膜が炎症を起こし、歯周病になるのです。しかし原因が力に及ぶとなると口腔内清掃や日常の歯磨きの向上だけでは、力に対する対策が取れません。歯の一部を削り、噛み合わせのバランスを得る方法や、詰め物や被せものを交換する方法もありますが、範囲が広すぎる場合や、明らかに歯並びに問題がある場合は、矯正治療で歯を適切な位置に導く必要があります。
また、歯が移動する際には、周囲の骨の代謝が活性化し、歯の移動後には良質な歯の周囲組織を獲得できる期待もあります。ただし過度な適切な力で移動させるとむしろ悪化する場合もあるので注意が必要です。歯周病はいろいろな要素が絡んでいるので、細菌の問題だけでなく、力の問題をきちんと踏まえて取り組む必要があります。
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矯正治療は何歳まで受けられるの?
矯正治療はいつでも可能ですが、年齢や歯並びの状態によって治療期間や治療方針が異なってきます。また、重篤な歯周病や、精神的な疾患を抱えている場合には、矯正治療が受けられない場合もあります。
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矯正期間はどのくらいかかりますか?
各症例によって異なりますが、簡単な部分矯正であれば3ヵ月〜6ヵ月、全顎矯正であれば1.5年〜2.5年と考えてください。ただし、後戻りを防ぐための保定期間が2〜3年必要となります。