おふくろの味とはなんぞや?

? 先日ある番組で、起業塾を卒業した人達の 開店奮闘記を取材する番組があった。

 

もんじゃ焼き屋さん、定食屋さん、焼肉屋さんを 開業するそれぞれの卒業生を同時進行で キュメントしているので、

それぞれの個性がわかりやすい番組であった。

 

起業することは本当に大変である。

まず、起業する決心をするだけでも大変だ。

決心から、起業に至るまでの道のりにも 人それぞれにドラマがあり、 感動すら覚える時がある。

 

どの卒業生もそれぞれに個性があって、 一生懸命に働く姿には共感を覚えた。

 

商売とはそんなに簡単じゃないよと、

はっきりと伝わってくる。

卒業生は皆、教わったことを 忠実にこなしていたが、

その中の一人の人を見たときに、 あれ? と思うところがあった。

それは、おふくろの味を看板にして、 家庭料理屋さんを始めたおばさんの 姿に違和感を覚えたことである。

確かに店の雰囲気もいいし、 料理もおいしそうであるのだが、

そこにおふくろがいないのである。

 

割烹着を着ていても、何かが違うのだ。

少々疲れ気味な感じがあり、

立ち姿からしておふくろって感じではないのである。

僕はこれをみてはっとした。

 

おふくろの味を売るのであれば、

そこにおふくろが必要ではないだろうか?

立ち姿、料理を作る姿、運ぶ姿、 会話の中にもお袋を演じることが 必要だと思った。

 

おふくろの味とはなんぞや?

そこから考えることが大切なのだ。 料理の味は、舌先だけで感じるものではない。

 

目も、耳も、五感で感じる全てが、

味となって認識されるということを、 忘れてはいけない。

このおばさんの開店一ヵ月後の様子には、

売り上げが思うように伸びなくて、 少しくたびれた姿があったが、

塾長がいろいろとアドバイスをしているので、 きっとうまくいくだろう。

 

誰もが、失敗から多くのことを学ぶことで、 成功へ近づくのだから。

 

どんな仕事も、ついその内容だけに 目がいってしまうのだが、

それだけではうまくいかないことがある。

そんなときは、その仕事のコンセプトを 根本から見つめ直し、

提供する内容ととりまく環境の 両方を考える必要があるのだ。

つまり、 五感の全てを満足させなければならない。

患者の痛みや不安を取り除くだけではなく、 期待と信頼を獲得するための 日々の仕事を、

今まで以上に積み重ねることこそが、

これからの僕には必要だと 改めて認識させられた。

 

今、時代は大きく変動している。

スピードも価値観も、 日々変化しているけれど、

母ちゃんの味だけは、 いつまでも変わらないでほしい。

 

誰にとっても、

 

おふくろの味は世界一旨いのだから。

 

Let’s go back home!