新人歯科医師、新人歯科衛生士、新人歯科助手の方々へ。
この春から新しく勤める歯科医師、歯科衛生士、歯科助手の方々に向けて 伝えておきたいことがあります。
1 「一年間は何があっても辞めるな、できれば3年間は頑張れ!」
自分にとって居心地の良い環境であればあるほど、 自分自身の成長は妨げられます。
少しくらい、過酷で辛いほうが良いと思って欲しい。
ただし、勤めた先の診療内容が、
明らかに患者さんにとって不利益だと 心の中で証明できるのならさっさと辞めましょう。
そんなところから学べることが全くないわけでもないが、
少なくとも、今の君たちが学ぶことは何一つありません。
最初の勤め先が肝心なのです。
医療人として、 あなた自身が患者さんのためにどこまで自己犠牲できるか?
ここが重要です。 損得考えずに、患者さんに尽くすくらいでちょうど良いのです。
そこを通過した者でしかわからない感覚があります。
どうか、がむしゃらに患者さんに尽くして下さい。
がむしゃらを続けていると、ある日突然すっと楽になります。
そこから、妙に楽しくなるのです。
仕事に対する感覚が、少しだけ自由になります。
それまでは、とにかく怒られまくって下さい。
それも大切な仕事の一つだととらえましょう。
2 「コミュニケーションスキルを上げる」?
人間関係が上手く行かない時、
もしそうなった時には、喜んでその状況を受け入れて下さい。
医療に携わるほとんどの人たちがぶつかる壁の一つに、
患者さんとのコミュニケーションが挙げられます。
医療従事者の多く、 はコミュニケーションがあまり得意ではありません。
医療そのものが、 コミュニケーションを重視する傾向があまりないのです。
多くの患者さんをこなすためには、
どうしても対応が画一的になってしまうからです。
しかし、これからは違います。
来る将来、一人一人の患者さんに対して、
細やかに対応しなければならない時代がやってくるでしょう。
?高いコミュニケーションスキルは人生を豊かにしてくれます。
あなたの周りの友人や家族に対しても、そのスキルは有効です。
職場を通じてコミュニケーションスキルを上げましょう。
最初のうちは失敗や挫折を何度も味わうかもしれません。
でも、どうか続けてください。
数年かかるかもしれませんが、 そのくらいかかって当たり前だと思って下さい。
どんな時も、 決して相手を非難してはなりません。
非難したくなる相手であっても、
適切に対処することが目的なのですから。
だから、もし職場の人間関係が上手く行かないと感じても、
それも全力で事に当たってください。
この時の秘訣は、
決して相手の愚痴を言わないことです。
相手の愚痴を言った途端、 自分の成長が止まります。
愚痴を言わずに、自らを改善する。 勇気と忍耐が不可欠ですが、
ここを乗り越えると 次のステージに向かえます。
3 「技術や知識は教わるのではなく、盗め」 ? ?
言われたことをやっているだけでは、仕事になりません。
本当の仕事とは、言われたこと以上に行動することを意味します。
そのためには、上司や先輩の技術を盗まなければなりません。
教えてくれることを待っていてはいけません。 教えてもらえないものだと思って下さい。
自らが努力して、 最後の最後でアドバイスをもらえる方がいいのです。
自分が苦労もせずに、 教えてもらっても、ありがたみがないのです。
先輩たちも、 いろいろな苦労を重ねてその知識を会得しています。
苦労があるからこそ、 その知識の本質を身体で理解しているのです。
言葉だけを理解しても、 本当に理解したことにはなりません。
だからこそ、 いろいろな角度から考える必要があるのです。
上司や先輩の言葉には、時々嘘も混じります。
それでも、素直な心で聞き、 彼らの行動をよく観察しましょう。
そこから、あなた自身にしか見えないものがあるのです。
見て学び、聞いて学び、行動して学ぶ。 この3ステップを通じて会得しましょう。
4 「日記をつける」 ?
人はほとんどのことを忘れるようにできています。
教わったことを覚えているつもりでも、
実はほとんどを忘れています。
どんな些細なことも日記に書いてください。
日記をつける習慣を持つことで、自分を客観視できます。
自分のことはちゃんとわかっている と思うかもしれませんが、
それは錯覚です。
沢山書かなくても良いのです。
まず、日記をつける習慣を身に着けてください。
覚えたことや、感じたこと、なんでもかまいません。
誰かに見せるものではないので、自由に書いてください。
時々、書いたものを読んでみてください。
自分を客観的に評価できるでしょう。
そこから、するべき反省が見えてきます。
5 「思考よりも行動を重んじる」
何を考えているかよりも、何をするのか? ここが重要です。
気持ちを固めてから行動に移しても、 時間がかかってしまいます。
行動をすることで、気持ちは後からついてくるのです。
どんな時も笑顔で、積極的に仕事をする。
これを続けることで、心はあとから軽くなります。
考えることに行き詰った時には、 普段にはしない行動をしてみましょう。
悩むときや迷う時のほとんどは、 動きが止まっているのだと自覚してください。
ひたすらに勉強するのも良し、 医院の掃除を人一倍頑張るのも良いでしょう。
行動して初めて見えるものが沢山あることを覚えておいてくだい。
6「患者さんの「はい」を鵜呑みにしない」
まず、患者さんはなかなか本音を言わないものです。
顔で笑っていても、心はそうでもなかったりします。
それが普通だと思って下さい。
だから、患者さんの「はい」を真に受けてはいけません。
ほとんどの患者さんは、笑顔で「はい」と言います。
それは、社交辞令のようなものです。
もし、その「はい」が本当なら、 その心は必ず行動に表れます。
予約を守り、医院に入ってくる時も、 医院を出ていく時も、
笑顔になる傾向があります。
患者さんに本心から、「はい」と言ってもらう事はとても難しいのです。
それは、 スタッフ同士の人間関係をしっかりと構築することよりも 難しいと思って下さい。
患者さんの言葉の向こう側にある本当の気持ち これが読めるようになれば、
医療人として何をすべきかが 見えてくるのです。
7 「仕事の目的を明確に念頭に置く」
仕事の本当の目的は、お金を稼ぐことではありません。
自分の生活を支えるために仕事をしても必ず行き詰ります。
本当の仕事の目的は、仕事を通じて良い人間になることです。
あらゆる経験と努力を積み重ねていくことで、 あなたが皆から愛され、
必要とされる人間になることが重要なのです。
自分の周りの人たちのために何ができるか?
ここだけを純粋に考えることで、見えてくる道があります。
自分のことばかり考えてしまえば、
周りの人たちも あなたのために何かしようとは思わなくなります。
仕事を通じて自らを見つめ、仕事を通じて良い人間になる。
抽象的ではありますが、 これこそが仕事の本質だと考えてください。
自分のペースで良いのです。 前に進むことが何より大切なのですから。
?8 「上司、先輩、患者さんの言葉を大切に受け止める」 ?
仕事を始めるときは、たいてい辛いものです。
それまでの経験や価値観が通じることはまずありません。
それでいいのです。 理屈をこねれば、いくらでも正当性を主張できます。
しかしそれは何の役にも立ちません。
たとえあなたが正しかったとしても、通用しません。
いつか自分が教える側になった時にわかります。
その時になって初めて、
自分に教えてくれた人たちに感謝するのです。
人は、一人では成長できません。 周りの人達がいるから、成長できるのです。
ダイヤモンドや金が、 最初から磨かれた状態で存在することはありません。
人が磨いて初めて光るのです。
上司、先輩、患者さんの言葉には、たくさんのヒントがあります。
それらを素直に聞き、自分の心の中で上手に磨いてください。
磨かれて残ったその言葉は、必ずあなたの役に立つでしょう。
最後に僕の好きな言葉を贈ります
怠けるものは不満を語り、
努力するものは希望を語る。
?素敵な日々が、
これからも毎日訪れますように。
そして、どうぞよろしくお願い申し上げます。