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自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する が刊行されました。

2024年3月13日に宝島社より、自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決するが刊行されました。順天堂大学教授・小林弘幸先生とモウリデンタルクリニック院長・毛利啓銘による共著です。

 

この本の前半は小林弘幸先生が自律神経について、詳しく、そしてわかりやすく書かれておられます。人間が豊かに生きる為の、人間の取り扱い説明書のような知識と見識がたくさん散りばめられており、生活を営む上で自律神経を整えることの大切さをわかりやすく書かれております。自律神経について知る事は活のパフォーマンスを上げる事に繋がりますので、日々の習慣や食事の在り方について見つめ直す機会になれば幸いです。

小林弘幸先生とは、執筆後にお会いさせて頂きましたが、本当に素晴らしい先生でした。医者は疾患の3割しか治せない。だからこそ、予防、未病の為に生活習慣を適切にすることが何より大切だと仰っていました。そして、食事においてよく噛むことの大切さを深く理解しておられ、医科と歯科との間に境界はないのだとあらためて認識させられました。

後半は、僕が歯と自律神経に関連して書かせていただきました。また、歯の治療についても、一般の歯科医院ではあまりアナウンスされない大切な事について書きました。歯科医院に長期間通院しても治らない方、一生懸命歯を磨いているにも関わらず虫歯が再発する方。かみ合わせの問題で悩む方、食いしばりや歯ぎしりで悩む方などに向けて、できるだけわかりやすく書きました。

日本の歯科医療制度は、諸外国に比べて安価で充実している反面、病気の進行度が進んでいるほど対応が困難となり、その場しのぎの治療が繰り返されることで口腔内全体の質の低下を招く傾向があります。数年から数十年かけて少しずつ悪くなるので、自覚することが難しく、気づいたときには問題が山積みになっているという方が少なくありません。

多くの方々が、歯の健康について正しい情報を持たないまま、形骸的な歯科治療を鵜呑みにし、根本的な改善を図らないままに歯の治療を受けてしまう傾向があります。生涯をかけて少しずつ歯を失う人は、まさにその典型です。

残念な事に、歯の予防については未だに歯磨きやフッ素についてよくアナウンスされますが、つまりそれは50年前の考え方から今も抜け出せない現状を表しています。歯周病菌は歯周病の原因の一つですが、歯周病菌だけが歯周病の原因だけではなく、むしろさらに大きな原因があることについても書きました。

これまでの歯科治療に対する誤った先入観を持ち続けてしまうと、歯の治療を繰り返すことになり、これがさらに次の問題に発展します。歯科治療が様々な負の連鎖を生みだしていることを多くの方に知っていただきたいと思います

 

本書では、細かい診断基準や治療方法については深く言及しておりません。あくまでも、問題を提起することに留めてあります。各治療の重要なポイントや、歯科治療を合理的に行う手法についてはまた別の機会に伝えようと思います。テクニカルな事や治療法から考えてしまうと問題を根本的に解決できなくなるからです。まず、病気の成り立ちを理解すること、そして、病気の原因を根本から絶つことが必須です。どんな治療にもリスクが生じます。治療の方法論ばかりを追求し、原因をそのまま放置することで、結局問題がさらに悪化し、解決できない壁が立ちふさがります。多くの方々が誤解している歯の知識を、この本で伝えたいを思い執筆しました。

歯磨きは根本的な予防にならない、砂糖の過剰摂取があらゆる疾患の大きな原因であること、歯科医師は皆同じようには治療しない、歯の治療がかみ合わせを悪くする、など、これまでの多くの方々が知らされていない事に言及してあります。いつまでも昭和感覚のままでいると、歯の治療はギャンブルになり兼ねません。そしてそういう方々が少なくありません。

2005年に広尾で開業して今日に至るまで、合理的かつ根本的な歯科診療を続けてきました。18年間にわたる臨床の積み重ねにより、歯は未来を指し示す羅針盤のようなものであると確信しています。歯を大切にすることが、しいては身体全体の健康を維持し、あらゆるパフォーマンスの恒常につながることを一人でも多くの方に届くことを祈っております。

2024年 3月 吉日 毛利 啓銘