求心力と寄り添うチカラ
「人間」
をもう44年やっている。
真剣に生きれば生きるほど、
長い時間をかけてわかることがある。
たぶん僕にとって生きることは「学ぶこと」なんだと思う。
学ぶことに徹すれば、
すべては未来のために生きることになる。
どんな困難でさえも、すべては未来の布石に過ぎない。
そう考えることで、僕の人生はだいたい楽しい(笑)
もちろん、そんな風に考えられない時もある。
心に余裕がないときだってあるし、
おとなしく夜をやり過ごすときもある。
夜は悩まないと決めてからは、、、、さらに楽しい(笑)
44年も生きると、人生の正体がぼんやり見えてくるものだ。
全ては光の残像に過ぎなくて、
何かを本当の意味で所有することなんてできないから、
感じる今こそが何より大切で、
感謝し続けられるように今を、
この命を大切に前に運ぶことが
生きるということの本質だと、
とりあえず今は思っている。
別に教訓めいたことを言いたいわけじゃない。
もっと簡単に言えば、
人生を、今を単純に楽しむことが何よりだと思う。
そのためには、面白いことを深く、
たまには考えてみるのも悪くないのだ。
楽に生きたいわけじゃない。
楽しく生きたいのである。
幸福が挫折を生み出すこともあるし、
我慢や苦しみが、
かけがえのない時間や体験を創ることもある。
人間万事塞翁が馬
なのだ。
人生は過ごすものじゃない。
味わうもの。
なんだ。
職業や社会的立場も確かに大切だけど、
何より大切なのは、
僕自身が自分の真ん中に、
あなたがちゃんとあなた自身の真ん中にあるか?
だと思う。
社会が生み出す文明の利便性が、いつの間にか自分を甘やかし、
いつの間にか先入観にまみれてしまう。
そうなると、
未来は決まりきった常套句みたいになるような気がする。
それじゃもったいない。
「自立と自律」
幸福に生きるための道の全てはここから始まるのだ。
未来のことは誰にも分らないし、
未来のことは、まだ何も決まっていない。
100年後の未来に今できることを想像して実行する。
仕事の理想的本質はそこにあると思う。
ま、とはいっても、
できることは小さな改善を積みかさねるだけですが(笑)
歯科医師になって20年。
この仕事がようやく面白くなってきた。
まだまだ自分に伸びしろの余地があることにも気づいた。
気づかせてくれるのは患者さんだ。
今年はこれまでよりいっそう患者さんとの距離が縮まった気がする。
基本的に、一人でなんでもやるのが好きなので、
濃度が濃い診療ばかりだが、
最近は、少し余裕が出てきたせいか。
患者さんの心の変動が気になるようになってきた。
歯科治療は技術があってこそではあるが、
技術だけでは患者さんを幸せにできない。
そこには、
患者さんの心にほどよく寄り添うことが何より大切だと、
経験を積めば積むほど確信するようになった。
誰もが、何かの、道の途中にいる。
みんなそれぞれに、何かの課題を抱えている。
解決するのは、本人だけの特権。
生きている限り、僕達はずっと学ぶしかない。
それでいいのだと、
わかっちゃったかも(笑)
2015年は、本当に楽しい一年だった。
来年はもっと楽しくなるだろう。
幸せは他人が運んでくる。
だから僕は、他人に幸せを運ばなくちゃならない。
「寄り添うこと」
来年は、ずっとこの言葉を胸に診療するつもりだ。
これを読んでくれたあなたに、
僕に関わる全ての人に皆さんに
あらためて感謝申し上げます。
本当に、いつも本当にありがとうございます。
来年も宜しくお願い申し上げます。
、
2015 12 25 診療室の片隅から