インプラントジレンマ

? 世の中がどんなに便利になっても、 用いる材料がどんなに進化しても、

人の本質はそうそう変わるものではない。

あらゆる情報が飛び交い、 歯科技術が向上しようとも、

日本人の歯に対する価値概念は、 まだまだ発展途上にある。

人間とは面白いもので、 論理的に頭では理解できていたとしても、

感情で判断する傾向があるゆえに、

いくらリスクを回避できるチャンスがあっても、

いつまでも改善することなく、

それをずるずると継続するところがある。

 

もし、若い時代に老後に対する準備(健康管理)を 怠らなければ、

治療にかかる時間と労力はかなり少ない。

ただ残念なことに、 老後の大変さを若い時代に想像する ことは困難である。

 

極論を言えば、 せっかく時間と労力を犠牲にして得られた健康も、

天然の状態に比べればお粗末である。 治療に労力をかけるなら、

予防に労力をかけるほうが、 費用対効果は大きいのに、

人間は自らが困ったときにはじめて、

心から健康のありがたさに気付くのだ。

 

天然の歯を失くした人に、 ただインプラントを提供しても、

再びインプラントをいつか 失くしてしまう確率は高い。

もしインプラントを選択したのなら、

なぜ天然の歯を失ったのかを 理解する必要がある。

 

インプラントを選択する際、

このことを念頭に治療されていることを ただただ願うばかりである。

マスコミは本当のことを言わないし、

新聞も大切なことを書かない。

 

本当のこと書いても面白くないからだ。

記事は真実からずらすことで 面白くなることが多い。

患者が気にすることは大抵、 痛みの有無、費用、時間であるのだが、

これらはどれも短期的展望に基づく内容であり、 問題の本質ではない。

 

天然歯を失った経緯、

治療計画の立案 獲得した健康の維持 患者にとってみれば どれもあまり考えたくない事項である。

(だってめんどくさいでしょ)

一般的に考えれば、

痛くなく、 費用が安く、

長くもってくれる。

かどうかが、 患者の知りたいところであろう。

 

そして数十年後、

短期的展望に基づく 治療を選んだ人たちの中から 入れ歯倶楽部の候補者が選出される。

治療に治療を重ね続けていく。

入り口、経路、出口の3つのどれかひとつ 間違えるだけでも悲しい結末を迎える。

 

1 なぜ歯を失ったのか?

2 どうやって治療するのか?

3 治療した後はどうするのか?

 

この3つのつじとつまだけは合わせなければならない。

インプラントはとても便利であるが、

天然の歯はそれよりもはるかに優れている。

 

あなたの歯を大切に。