わかりやすい歯科治療 その1
? 虫歯の大きさが小さくても、
歯の場所によっては大きく削り、
金属をかぶせる治療が、 当たり前だった時代がある。
沢山の患者さんをこなさなければならない時代には、
そうすることしかできなかった。
だから良心的な歯科医師は、
精度の高いかぶせ物を入れることに努力してきた。
そうすれば長い間、 口の中に存在する確率が上がる。
入れたかぶせ物が長い間外れなければ、
あの歯医者は上手だと噂にもなる。
歯を適切に削り、
精密な型をとり、
良い技工士、
あるいは自分で、
精度の高いものを製作する 歯に合着するときは、
乾燥をしっかり行い、 合着材を適切に扱う。
当たり前のことを当たり前に行えば、
10年以上簡単にくっついてくれる。
父親が僕の歯に入れてくれた金属は、
20年間、問題なく存在した。
この金属は僕の意向で、
昔,勤めていた院長先生に外して頂いた。
(金属の毒性を知ったから) 被せたものが外れる理由は簡単だ。
1 そもそも適合があっていない ?
2 くっつけるときの操作が不適当 ?
3 かみ合わせが合っていない ?
4 虫歯になった。 ?
昔の合着材でも、20年以上持つのだから、
つけて数年で外れるかぶせ物なんて そもそも間違っている。
被せ物が外れたということは、
先に述べた1~4のどれかに当てはまるということである。
つまり、外れたことが問題なのではなく、
1~4の裏側にある問題こそ、本当の問題なのだ。
被せ物が外れるということは、
そこに大きな問題を秘めている可能性があることを 忘れてはいけない。
外れたかぶせ物を、 強力な合着材で付け直したところで、
問題が解決したと言えるのは、 2の場合だけである。
もし、1,3,4、の理由であったなら、
付け直しだけでは意味がない。
それどころか、さらに問題を悪化させる。
もし、ただ付け直したとすると 外れた理由が1なら、
虫歯になる確率が上がる 。
外れた理由が3なら、
虫歯、歯周病 顎関節症の原因になる
外れた理由が4なら、虫歯は進行し、
さらに歯の崩壊に向かう
そこにある現象(被せものが外れた)は、真の問題の投影にすぎない ?
被せ物が外れたということは、
何かが根本的に間違っている可能性を示唆している。
その根本に目を向けることこそ、 本当の歯科治療が始まるのである。