音は国境を越えて
開業してからずっといつも僕を悩ませることがある。
それは院内で流す音楽。 好きな音楽を流せばいいというものではない。
あくまでも、患者さんやスタッフが気持ちよくいられる空間を演出する類でなければならない。
これは本当に難しい。
いまは活動を休止しているが、
これでも一応ベーシスト(最近は部屋ギタリスト)なので、
?音楽についてはそれなりにこだわりがある。
場に応じて、人と音には適度な距離間が必要なのだ。
大好きなミュージシャンのライブでは、
できるだけその距離は近いほうがいいだろう。
バーやレスランで流れる音楽は、
そこにいる人たちの会話を邪魔しないのはもちろんであるが、
音が聞こえなくては雰囲気が壊れてしまう。
その日の店の空気や、
お客さんの傾向によって 音楽も微妙に捉え方が変わる。
しかし、歯科医院となると、これはなかなか難しい。
リラクゼーションやクラシック、それも悪くはないが、
どうもそれでは、よくあるクリニックになってしまう。
僕にとって、院内に流れる音の雰囲気も、
大切な治療方針の一つなのだ。
CDの試聴コーナーでは、
自分のクリニックの様子を思い浮かべながら CDを厳選していくのであるが、
僕に言わせれば音楽の形態は 90年代をもって全て終了したと認識しているので、
ほとんどがリサイクルミューシックに聞こえてしまう。
院内で流す音楽は、
自分が好きなものを流せばいいというものではない。
だからといって、自分の嫌いな音楽を流すわけにもいかない。
多角的に考えたうえで、
ふさわしいものを流すのであるが、 もうそろそろ限界である。
つまり、もう、ネタがない。 探すのにも大変なのだ。
タワーレコードの試聴コーナーに、1時間以上張り付くことになる。
CDチェンジャーには100枚のCDが収められているが、
少しずつ入れ替えても、すぐに飽きてしまう。
新しく購入したCDの寿命はだいたい数か月である。
USENも同じだ。 昔、勤めていた歯科医院は常時USENだったが、
結局同じ曲をヘビロテするので、飽きてしまう。
音楽が治療の邪魔をするようになると最悪極まりない。
日本のラジオはDJが喋る割合が多すぎるし、
流れる音楽は骨董品レベルである。
いまだに昭和の懐メロを平気でかけるセンスはどうかしているとしか思えない。
日本のラジオで聞ける時間帯は、日曜日の深夜のみである。
(この時間はDJがほとんどしゃべらない)
DJはできるだけしゃべらないのが王道だと思っている。
?日本のDJの話はほとんどがくだらない話ばかりである。
選曲も古い、話も面白くない。
だれか日本のラジオをどうにかしてくれないだろうか。
?コアな音楽ばかりでは疲れてしまうが、
ヒットチャートばかりでは飽きてしまう。
上手くバランスを取るシステムはないか?
あったのだ。
インターネットラジオである。
itunesには世界中のラジオがあるではないか!!
?これだ!! ?と思い、さっそく、院内のアンプにどうやって接続するかを 考えた。
無線LANのシステムと、それぞれの機器の位置からして、
どうしても無線で行う必要ある。
有楽町ビックカメラに行き、
店員の秋庭さんに状況を説明し、
Bluetooth AirMac Express DENON DNP-7200 のいずれかという事になった。
すでにルーターがあるために、
AirMac Express は断念し、
音質と今後の拡張性を考慮し、
さんざん悩んだ末、DENON DNP-7200 にした。
早速つなげてみたところ、
もともと機能として付属しているインターネットラジオよりも、
PCから無線でつなげるほうが音が良い。
電波で直接拾うよりも、
インターネットで拾ったものを送る方が 音質は良いのである。
なるほど、勉強になりました。 いやはや、すごい時代になったものである。
世界中のラジオが簡単に聞けてしまうなんて。
海外のラジオはDJがほとんど喋らないから本当に助かる。
音楽のセンスもさすがにいいものばかりである。
気に入らなければ、ラジオ局を変えれば良いのだ。
しかも!! ジャンルがだいたいそろっているおかげで、 選曲の方向性が一貫しているのも嬉しい。
いやはや、もうCDをいちいち選ばなくて良いのだ。
これは本当に嬉しい!!! DJはほとんどしゃべらない。
選曲のセンスの良さ、音量、音質共に、院内で流すには最適である 。
もちろん、一般のお店でも、
家庭でも、
インターネットラジオを BGMにしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに今、 クリニックに流れているのは、フランスのラジオ局である。
おっしゃれ~~~ですよ。 JAZZの項目だけで、215局あるのだ。
もう選び放題ですよ!! CDもUSENも、いらなくなってしまった。
インターネットラジオの登場で、
新しいMUSIC LIFE が始まったのである。
音楽は本当に国境を超えたのだ。
NO MUSIC NO WORK
さらばCD!!