フィードバック2012

? 16歳の夏、

高校の同級生がギターを始めた。

周りは当時バンドブームだった。

いろいろな話を聞いているうちに、

自分もやってみたくなり、楽器屋に行ってみた。

 

並ぶエレキギターの前で、

目を輝かせながらじっと見つめていたと思う。

 

当時は、買えるお金もないので、

カタログをいくつも持ち帰り、

下敷きの中に挟んでは、授業中に眺めていた。

 

ヤマハの白いエレキギター。 欲しくてたまらなかった。

 

一年後、ギターを買うつもりが、

エレキベースを買っていた。

 

周りが皆ギターだったということと、

ベースの方が簡単で、

ステージでかっこつけやすいだろうと ミーハーな気持ちで始めた。

 

弦が4本しかないので、すぐにできるだろうとタカをくくった。

 

アンプを買うお金もないので、

アコースティツクでもないのに、ひたすら生音で弾きまくった。

 

生音で芯のある音が出せれば、いつだっていい音が出せると思っていた。

 

その考えは今も変わらない。

大学に入ってからというもの、

 

軽音楽部の先輩のレベルの高さにショックした。

 

ベースの本当の難しさを、

先輩達には厳しく指導して頂いた。

 

大学時代、暇な時間はひたすらベースを弾いていたと思う。

そのうち、いつかプロベーシストになると心に決めた。

 

少なくとも、

いつでもプロと仕事ができるくらい上手くなってやると決めた。

 

時は過ぎ、留年も浪人もすることなく、

無事に卒業し、 歯科医をしながらも、ちょこちょこと音楽活動をしていた。

 

一番の思い出は、 第一線で活躍しているミュージシャンと、

 

一夜だけ同じステージに立ったことである。

 

3千人の観客の前で演奏した夜は、

 

今思い出しても笑っちゃうくらい気持ちが良かった。

 

その後、本業の忙しさもあってか、

音楽活動は自然と自粛され、

家で弾く一日10分ギター(運指の練習)を続けながらも、 ベースをほとんど弾くことはなかった。

 

 

ベースではすでにやりつくした気持ちがあったからだ。

 

ずっとギタリストに憧れていたが、

10代から始めたベースの癖が取れない。

 

おかげで僕のギターソロは、ベースソロに聞こえてしまう。

 

スティービーレイボーンのScuttle Buttin

 

を9年前から練習しているが、

 

http://www.youtube.com/watch?v=OoBJXwdn2Jo 未だにちゃんと弾けない。

のんびり上手くなればいいやと思っていたが、

そうもいかないようだ。

 

ちなみに僕の目標は、

酔っ払ってもちゃんと笑顔で弾けることだ。

 

昨年末に、

昔の知り合いがFNS歌謡祭でスマップの後ろでベースを弾いているのを見て、

 

相変わらず頑張っているなあと思いながらテレビを見ていた。

 

久保田利伸の後ろでかっこよく弾いている姿と、

センスのいいフレーズが 見ていても聞いていても気持ちが良かった。

 

彼のかっこいいベースフレーズが頭から離れず、

 

なんとなく久しぶりにベースを弾いてみた。

 

ベベベンッ。。。 いや、ひどいもんだ。

 

指に力が入らない。 なんだこれ、?? 悔しいので、

 

1時間くらいやってみた。

 

人差し指の指先が水膨れになった。

 

さらに悔しくなった。 指を変えてもう一時間弾いてみた。

 

ベベベベンツ。 ??? なんだ今の??? おお!!

 

なんだこれっ!! それは今まで出来なかった高速4連附が偶然できたのである。

 

おそらくギターの練習を続けていたおかげで、

 

中指が以前より自由に使えるようになっていたのだ。

 

ギターがベースの奏法にこんなにも影響を与えるとは!

 

弾いて気持ちいいので、それからは毎日弾いている。

 

 

この十年間で、音楽から離れていたせいか、

 

自分自身を、楽器を通して冷静に見つめられるようになった。

 

自分の良い所、悪い所、 楽器はちゃんとそれを音にする。

 

 

昔の練習法がいかに偏っていたことか!! 過去の練習法を反省するばかりである。

 

 

それから約一か月、ようやく現役の頃まで戻してきた。

 

 

最近は、あるベーシストのフレーズを練習している。

20年前から知っていたが、この人のフレーズだけはコピーできなかった。

 

 

この人は、たぶんその分野においては世界一だと思う。

 

 

奏法がわからないので練習のしようもない。

 

僕はあきらめた。 しかし、

 

あれから20年、再びチャレンジしてみようと思った。

 

http://brianbromberg.net/ http://www.youtube.com/watch?v=s9WFW4pZcXQ&feature=related

 

たぶんこれ、ちゃんとできる人は皆無に等しいのではないだろうか??

 

 

こんな弾き方、彼しかできない。

 

 

と普通は思う。

You tube のおかげで、世界のトッププレーヤーの演奏が いつでも映像で見られるようになった。

 

 

20年前なら、1万円近く払って教則ビデオを購入するところだ。

 

 

しかもこの人、教則ビデオが入手困難である。

 

さんざん探したが見つからなかった。

 

長年の悩み、つまり、

 

どのように演奏しているのかわからなかったことが、

 

You tube のおかげでわかってしまったのである。

 

 

まあ、わかったところですぐには弾けないだろう。

 

 

 

なんせ、左手の使い方が人間業を超えている。

 

 

スローで再生しても指が速すぎてすぐには分からない。

 

 

しかしあきらめようとは思わない。

 

 

むしろわくわくしている。

 

 

不思議とできない気がしないのだ。

 

 

できるかどうかは別として、 本気でコピーしてみようと思った。

 

 

?基礎練習から始めることにした。 一年はかかるかもしれない。

 

 

今年の5月で、開業して今年で8年目を迎える。

 

仕事が教えてくれたことは、あきらめないこと続けること。

 

 

それが夢を叶える最低条件だという事。 職場から学ぶことがたくさんある。

 

 

本当に感謝している。 だから今日もこっそり練習する。

 

 

あのフレーズが弾けた暁には、自分を誇らしく思えるに違いない。

 

 

 

誰かの前で弾くことはないかもだが。

 

 

 

少なくとも今度は自分のために成し遂げてみたいのだ。

 

 

20年前にあきらめたことを、

 

ここで叶えることができれば、

 

また一つ成長できる気がする。

 

 

 

そこで学んだことを、仕事に生かせる気もするのだ。

 

 

 

どうすればいいかがわからないときは、

とても苦しいけど、

 

 

何をすればいいかがわかれば、

 

 

そこからのしんどさなんて 大したことではない。

 

 

あの日、何気にベースを弾かなかったら、

あの日テレビを見ていなかったら、

 

今も僕はこの小さな夢をあきらめたままだったかもしれない。

 

 

 

僕の本業は歯科医師である。

 

音楽も海も歯科医療も、

 

 

僕の中でちゃんと進化していける気がする。

 

 

 

自分の中に培ってきたことを、

 

 

これからも育みながら、

 

 

前に進もう。

 

 

2012 バイタリティー溢れる年にしようと思う。