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2017.10.11|良い歯科医師

「良い歯科医師」
の定義は難しい。
良いも悪いも人それぞれであるからだ。
また、その判別も、
その人の成長過程によって変化する。
良い車、良い家、良い学校、
良い教師、良い両親、良い友達、
良い職場、、、
良いにもいろいろある。

誰もが、良い何かに出会い、
良い何かに関わりたいのだ。
他人から見れば悪いものであっても、当人にして見れば良いものであることは珍しいことではない。
また、たとえそれが悪いものであったとしても、自ら選択した以上は良いものだと信じる傾向が人にはある。

さて、良い歯科医師にどうやったら出会えるのか⁉️
そのヒントとなる考え方を伝えようと思う。

 

まず最初に、やるべきことは、
自分の要求、自分が歯科医師に叶えてもらいたいことを明確にすることである。
といっても、この時点でピンとこない人もいるだろう。
歯科治療で多くの人達が望む事は大抵同じである。

自宅や職場から近い。
クリニックが清潔
ドクター、スタッフの対応が良い
予約が取りやすい
緊急時にも対応している
治療時間、治療期間が短い
治療費が安い
治療が痛くない
きちんとわかりやすく説明してくれる。
などであろう。

 

まだいろいろあるだろうが、
少なくもこれらの全てを満たしていたら、

間違いなく、一般的に良いクリニックだと言える。
ただし、これらが治療の「質」とほぼ無関係であることに気づいている人は少ない。

これらは全て、
修飾因子である。

つまりは「治療」(医療行為)を「飾る」ものに過ぎない。
さらに言えば、これらを満たしているからといって、
きちんとした治療がなされるとは限らない現実があることを多くの人達は知らないのだ。

 

良いクリニックが
良い提案を提供するとは限らない。
良いクリニックが
良い治療をするとは限らない。

「良いクリニック」
「良い歯科医師」
「良い治療」
この3つを満たすケースもあれば、
満たさないケースもある。

 

良いクリニック、良い歯科医師が良い提案や治療を提供するとは限らないということだ。
何度も言うが、
「良い」には様々あるのだ。

 

断っておくが、
決して、批判的なことを述べたいのではない。
人は必ずしも、
理性や整合性に基づいて選択、行動する生き物ではない。
負けると分かっていても勝負することがあったり、
フラれるとわかっていても告白をする(笑)

 

頭でわかっていてもできないことがあり、理解できても納得できない事は沢山あるわけで。
それが人間であり、
それが当たり前。
歯科医師も患者も同じ人間。
そもそも人間のすることに大差はない。
問題はそこから先なのだ。

 

目先の「良い」に意識が集中し過ぎて、全体の本質を見抜けないのが、
一般的感覚であろう。
自分にとって便利であることが、
必ずしも有益であるとは限らないことに気づいている人達は本当に少ない。

 

「本質」を考えないままに安易な選択をするのが人間の本性でもある。
そこには人間の持つ愚かさが常に隠れているのだ。
そのあたりをきちんと計算に入れて行動する人は賢明である。

 

もし、あなたが何かに悩み、
困っているなら、
自分の言葉でいいから、
書き出してみると良いだろう。
思いつくままに書き出して、
それを整理して、
さらに簡潔にまとめる。
そして、自分が叶えたいことを
さらに書き出して、
先にまとめた、困っていること
と、自分が叶えたいことを合わせて簡潔にまとめる。
まとめたものを、歯科医師に見せる、
あるいは口頭で伝える。

 

全てはここから始まる。

あなたが困っていること、叶えたいことを明確にすること。

 

それに対して、歯科医師がどういう対応、アドバイスになるか?

である程度の判別がつく。
歯科医師の本性(スタイルや考え方)がその時点で大抵見抜ける。

 

良い歯科医師には良い患者、良いスタッフがいる。
悪い患者、悪いスタッフがいると、
歯科医師は良い状態ではいられなくなる。
悪い歯科医師が、良い患者、良いスタッフに恵まれることもない。
一時的にできたとしても、
長くは続かないのである。

 

つまりは、
人間関係のあり方そのものなのだ。
良いものには良いものが集まるようにできていて、
悪いものには悪いものが集まるようにできている。
もうお判りだろうか?
良い歯科医師に出会うためには、
あなたが良い患者でなければならない。
そのためには、どうしても運と縁と努力が必要になる。
歯科医師とて同じである。

 

良い患者、良いスタッフに出会うためには、

運と縁と努力が必要になる。
僕にとって良い患者の定義は
こうだ。

予約時間を守る
人の話をきちんと聞く
相手が誰であろうとも敬意もって接する。
約束を守る
(できない約束はしない)
そして、
これは歯科医師にも当然当てはまる。

 

良い歯科医師に出会うためには、
良い患者であることだ、
自分が良い患者であれば、
良くない歯科医師はちゃんと見抜ける。
あなたが定義する「良い」ものに出会いたいのなら、
あなたが定義する「良い」ものにあなた自身が属さなければならないのだ。

次回は、
良い歯科医師について、
具体的切り込んでみたいと思う。
続く。

2017.03.02|ターニングポイントは突然に

 
 
正しい情報が全ての国民に行き渡れば、
歯科医療は今よりもずっと
正しく行われるだろうか?

少なくとも、僕はそう信じているけれど。
正しい情報を伝えても、その情報を信じたくない、
受け入れたくない人もいて、
どちらかといえば、
そういう人の方が多いかもしれないのではないか?
と、この頃思う。

僕の患者にも、わかってはいるけど、
なかなかできないって人もいる。
その人は、ひたすら、応急処置ばかりで、

もう応急処置だけで7年以上通院していたんだけど、
最近ようやく、気持ちが固まったのか、
やっと根本治療を希望し、
今ではがんばって通院している。

最初の頃は時間をかけていろいろ説明したんだけど、
途中で気づいたんです。

人が何かを決めるのは、整合性や理屈だけじゃないって。

だから待つことにした。
目の前で。状況がどんどん悪くなっても、
もう待つしかないって。
もちろん、相手によりますけどね。

人間はね、そもそも不思議な生き物で、
わかっているけどできませんっていうの
沢山あるんだよね。

勉強とか、ダイエットとか、そうでしょ(笑)
わかっちゃいるけど、、、ね(笑)
最後は結局どこかで惰性的になる。

うやむやになるんです。

そして、
小さな問題が少しずつ積み重なって、
大きな結果が姿を現したときに、
初めて気づくわけですよ。

やばいってね。

で、どうする? 

積み重ねたのは問題だけではなくて、
目を背け続けた日々もだから、
いきなり問題に直面しても、
そりゃすぐには見つめられないわけです。

見る能力がそもそも養われていないわけですよ。
見たくても見れない。
再び目を背けたくなるのが当たり前なわけです。
そういう習慣をずっと続けてきたわけですから。

だって、 つらいじゃないですか。
目を背けた自分に直面するわけですから。
認めたくないでしょ。

で、どうなるか?

問題をすり替える(笑)
自分以外のせいにすれば話が早い。
あるいは、再び目を逸らしても問題が解決する方法を探す
努力しなくても成果が得られる方法を探すわけです。

短期的にはね、そういうのできるんです。
知恵と工夫で何とかなる。
そこは人間のすごいところ。

でもね、長期的には難しい。
長いスパンで見ると、
どんな問題もいつか必ず然るべき結果が待っている。

これは経営も同じ。一時的に利益を出すことと、
長期的に利益を出し続けることは
発想が全然違うわけです。

物事を考える時、「時間」の概念を持つか持たないかで、
思考の幅は全然違うんですね。

人生は限られた時間でできているわけで、
しかも、人間の身体は確実に劣化していくわけで。

「今」というポイントも大切ですが、
「流れ」という感覚はもっと大切なんです。

今が良くても、流れが悪けりゃ、悪いポイントにはまる。
で。はまったときにどうする?

人生にはそういう小さな分岐点がたくさんある。
ちいさな決断の積み重ねが、将来の自分を創る。

これ、説教じゃないですよ(笑)
仕組みの話。

少なくても、歯科医療においては、
そういう仕組みがすごくわかりやすく存在していて、
ほとんどの疾患は説明がつく。

なんでこうなったのか?
これからどうなっていくのか?

だいたい見えるわけです。

僕らはいつか死ぬ。
そこに向かうまでの間。
どう過ごすのか?

ちゃんと考えて出した答えなら、
それがたとえなんであろうと、
僕はいいと思う。

僕が歯科医師として、救いたいのは、 
そして実際救えるのは、

心の中にひとかけらでもいいから、

「ちゃんとしたい」

って気持ちがある人だけだと、
今のところ思ってます。
あとはご縁なので、流れに身を任せたいと思います。

それから、知れば変わる人、ちゃんといます。

これまでの自分を反省して、これまでの生活を見直して、
新たな未来に向かう人、昔よりずっと増えたと思います。

そこに、意識の進化を感じます。
社会の進化を。

これからの歯科医療は、
そういう人を中心に構成していくべきだと思います。

日本の歯科医療を変えるのは、
歯科医師ではく、
患者さんの意識。 
今の僕らはその火付け役みたいなもんかと。

まだまだ正しい歯科情報が行き渡っていない現状がありますが、
後は時間の問題かな。

あなたにとって、
良いご縁がありますように。

 
 
 
You have to learn to walk before you run.

 

 

 

2016.12.07|先輩

2047

 

大学生の頃、まだ、1年生にも関わらず、ひょんなご縁で、
当時大学院生(2年目)の先輩にいろいろと可愛がってもらった。

同じクラブ(軽音楽部)のその先輩は、

僕の音楽に対する姿勢や考え方に深く共感してくれただけでなく、

生意気で世間知らずの僕を、まるで弟のように可愛がってくれた。

 

 

大学一年生と、大学院の2年目では、6つ以上も年が離れている。
にも拘らず、
まるで少し上の先輩のように、気さくに意見を言ってくれたり、
僕が悩んだ時には、同じ目線で話を聞いてくれた。

 

 

家にいてもやることがないから、

休日に大学の部室で一人で楽器の練習をしていたところに、

その先輩が一つ下の後輩(大学院一年目)の先生と一緒に部室に入ってきた。

「お前、一年生?見ない顔だな。なにやってんだ?」

 

 

そこから、意気投合し、

ファミレスに連れて行ってもらい、音楽談義で盛り上がった。
ちなみにその時一緒にいた大学院一年目の先生は、

今では東京歯科大学の教授である(笑)

 

 

先輩は、ギタリストで、ビンテージギターを多く所有していた。
その知識については、楽器店のオーナーレベルで、オタクの域を通り越していた。
自宅には、集めたギターが20本以上壁に飾ってあって、

押し入れにはケースに入ったギターが山積みだった。

ロック音楽、ポップ音楽についても熟知していて、

時に日本のグループサウンズにおいては、
かなりのものだった。

少し前まで高校生だった僕にとって、

自分の好きな音楽のルーツを知ることができただけでなく、

大人の世界を垣間見るには絶好の機会であった。

 

 

僕が子供じみた視点で意見を言えば、

先輩はそれに理解を示しつつ、いつも大人の視点を交えて語ってくれたものだ。

いろいろな視点を持つことの大切さを、先輩に教わった。

 

 

休日になると、先輩の家に上がり込んでは、
音楽の話をしたり、楽器を弾いたり、
古い録音機械をつかって、曲作りに励んだ。
今と違って、全てがアナログなので、
作業には沢山の時間を費やした。
一曲完成するたびに、二人で盛り上がった。
今思えば、かなりお粗末なクオリティだったが、

それでも当時の僕らにとっては
楽しくて仕方がなかった。
もちろん、恋愛の相談にも沢山乗って頂いた(笑)

 

 

 

曲作りの題材探しに、あちこちでかけた。

横須賀に出かけた時、
帰り際に、お腹がすいてレストランに入った。
メニューのハンバーグをみたら、
100g 150g  200g 250g 300g と書いてある。

二人とも、所持金がギリギリだったので、100gを注文したところに、
店員が、「男性では少ないと思われますが、大丈夫ですか?」と聞かれ、
めちゃくちゃお腹がすいていたにもかかわらず、
「あ、さっき食べてきたばっかりなので大丈夫です!!」
と見え透いたウソをついた。
あの頃はお金なかったよねと、先輩と会うたびにこのエピソードが出る。

 

 

学生の頃は音楽とタバコと缶コーヒーで一日をやり過ごせたものだ(笑)
今ではタバコも缶コーヒーもやらないが,あれはあれで楽しい時代だった。

 

時間も体力もあるのに、お金と経験がない。
若さとはそういうものだと教わった時代。

時間と体力を使って、知恵を生み出す。
それを経験と信頼に変えて、お金を生み出す。
そういうことに気づいたのはもっと後だった。

 

先輩とは多くの夢を語り合った。
当時の僕の夢は、プロミュージシャンと同じ演奏レベルができるようになること。
そして、10万人の前でベースを演奏すること。(笑)

演奏レベルは叶ったと思う。たぶん。
10万人の前で演奏する夢は今もある。
叶った次の日から、一番好きなベースギターを辞めるつもりだ。
だからたぶん、一生辞められないだろう(笑)

27歳の頃、当時の東芝EMI本社にあるスタジオで、

レコーディングに参加させてもらう機会を得た時、

嬉しくて嬉しくて、先輩に同行してもらった。
今はもうないが、

このスタジオはザ・ローリング・ストーンズなどがレコーディングをした溜池山王のスタジオである。
コールドプレイや、宇多田ヒカル、

椎名林檎など数多くのアーティスト達がレコーディングを行ってきたらしい。
昼から始まったレコーディングは、翌日の早朝5時までかかった。
たった一曲の為だけに、それだけの時間を費やした。

 

緊張して、思うように演奏できない時、

先輩から一言アドバイスを頂いた。
なかなかプロディーサーからOKがもらえない中、

そのアドバイスのおかげで、
一発OKをもらえた。大きなガラス越しに、

プロデューサーが僕に向かって両手で大きな丸をつくって見せた。

 

あの時のプレッシャーは今もはっきり覚えている。
僕のベースがアマチュアレベルを超えたのは、
たぶんあの瞬間からだと思っている。

天井が落ちてくる感覚というか、

重力で押しつぶされそうな感覚というか、
逃げるところがどこにもない感覚。
初めての感覚だった。

壁が押し迫る景色を今もはっきり覚えている。

僕のレコーディングが終わらないと

次のパートのレコーディグに入れない。
スタジオの時間にも限りがある。そんな中で、
先輩の一言が、僕を救ってくれたのだ。
「座らずに立って演奏してみろ!」

 

それまで先輩と小さな部屋で試行錯誤しながら、
いろいろとレコーディングしてきたからこそ、

そのアドバイスが的確だったのだと思う。
姿勢一つで、音が変わることを先輩は知っていたのだ。
レコーディング後に、プロデューサーが先輩に向かってナイスアドバイス!!と
言った。 立って弾いたとたんに音が断然に良くなったと、後に言われた。

 

 

この経験をしてからというもの、

一音の大切さを改めて知ることになった。
好き勝手に弾くのではなく、
自分を表現しつつも、きちんとルールを守る。
音に対する責任を持つ。 

ベースラインの流れをきちんと守る。
言葉で言えば簡単だが、感覚をつかむのは難しい。
経験は、言葉よりずっと早く的確に教えてくれる。
プロの現場に立てば、何が必要なのかを、現場が瞬時に教えてくれるのだ。

 

それからというもの、いろいろなバンドに参加して、
ミュージシャンとして生きてく道を探した。

東芝EMIの二人のディレクターから、

所属するための事務所を紹介していただいたが、
ご縁が無かったのか、タイミングが合わず話が流れてしまった。

もし、あの時、、、 
なんてね。(笑)

こんな言葉を誰かに聞いた。
「人が仕事を選ぶのではない、仕事が人を選ぶのだ」 と。
全くその通りだと思う。

 

 

音楽を頑張れば頑張るほど、なぜか歯科医師としての道がどんどん開けていった。(笑)

面白いことに、音楽の世界が遠ざかるというよりは、歯科の世界がどんどん近づいてきて、
やるべきことをやりなさいと言われているような気がした。

 

 

当時の音楽の仲間は、今も現役で頑張っている。
紅白に出た奴もいるし、テレビを付ければ時々映る人もいる。

彼らも、仕事に選ばれた人たちなんだと思う。

 

自分が音楽業界に身を置くことを渇望していたのか?
と自分に問えば、たぶんそうではなかったと思う。
そこに躊躇があったと思う。

自分を表現する世界を目の前にしても,
どこか一歩踏み出せない自分がいたことも事実だ。
そこに自分の弱さがあった。
自分の弱さをちゃんと認めることができなかったから、
音楽業界に身を置くことができなかったのだと思う。

だから、僕が開業するとき、2度とそれをしないと誓った。
何があってもきちんと自分を表現すること。
躊躇しないことの大切さを、この時の経験を通じて知った。
振り返れば、ありとあらゆるいろいろな経験の全てが、
今の自分を創り、
今も何かに導かれているような気がしてならない。

広尾で開業してから10年以上たつが、
スタッフにも患者に本当に恵まれていると思う。
僕に関わる人達の幸福をいつも心の底から願っている。

皆の幸福の一端を担えれば本望だ。
それが音楽であろうと、歯科医療であろうと。
だれかを幸福にすることに変わりはないのだから。

 

 

 

 

そうそう、歯科医師としての夢が一つだけある。

それは、、、
「日本の総理大臣を診察」することである。

もし、診察しても、
次の日から歯科医を辞めることはないけどね(笑)

 

 

 

PS 井上慎太郎先輩、お元気ですか?
先輩のおかげで今日も楽しくやってます。
また横須賀行きましょうね。
今度は300gのハンバーグ、僕がご馳走します(笑)

 

2016.04.04|本質という鍵

 

最近、他院にて行った審美治療後の相談が増えてきています。
セラミックを被せてきれいにしましょうと、
歯科医師に勧められて治療を受けたのだが、
どうにもこうにもかみ合わせが合わない。
とのこと。

 

歯科治療の全てを、きちんと伝えることは実はなかなか難しく、
専門的知識だけでなく、経験も交えて説明すると、
一般の人にはかなり複雑な内容になります。

 

今日は、歯科治療を受けるにあたって,
ここだけは注意してくださいという
メッセージをこめてアドバイスします。

そして、少し回りくどいとは思いますが、
「歯科」 というものがいったいどういうものなのか?
ということから伝えたいと思います。

 

歯科治療の注意点をいきなり箇条書きに伝えてもいいのですが、
それだけでは、本質が伝わりにくいと思います。
歯科医療の歴史、事情から見えてくる、歯科医療の弱点を、
ある程度は理解しておいた方が、歯科治療を受ける際に、
それが本当に自分の望む治療なのかどうか?
を考えやすくなるでしょう。

 

日本の歯科医療の中心は保険診療です。 
保険診療には様々な制限があり、
できること、できないことがあります。
一般的な歯科医師はその制限のなかで
治療を選択せざるを得ないのです。

 

 

全てがルールで決まっているので、
そこに歯科医師の個性は必要ありません。
決められたルール通りに歯科治療を進めていくわけですから、
極論でいえば、歯科医師免許さえあればいいわけです。

 

 

さらに、医療行為は、結果を保証する義務がないので、
たとえ失敗しても、歯科医師に責任はありません
(悪質なケースは除く)
たとえば、根管治療をして、
上手くいかない場合は、抜歯して、義歯やブリッジに
移行すればいいだけなのです。

 

もちろん、
保険診療における治療の組み立て方が一概に悪いということではありません。

この仕組みは、
大勢の人たちが抱える歯科疾患に対して作られたものですし、
それなりの医学的根拠に基づいて作られているものですから、
保険治療で十分に対応できる場合もあります。

 

 

ただ、注意していただきたいのは、
この仕組みが、全ての疾患に対して万能ではない
ということです。

 

 

わかりやすく言えば、疾患の程度が小さければ小さいほど、
保険診療でもきちんと対応できると考えてください。
逆に、疾患の程度が悪くなれば悪くなるほど、保険診療の欠点が
露呈してくる可能性が高いということです。

 

 

保険診療でもちゃんとできるという歯科医師と、
保険診療ではちゃんとできないという歯科医師がいます。

 

 

それは、「視点」の違いなのです。
何を基準に考えるのか? によって、どちらの意見も正しくなります。

「ちゃんと」 という部分が両者の間で異なるわけです。

 

 

例えば
拡大鏡や顕微鏡を用いる歯科医師と用いない歯科医師では、
「見えている」世界が違うわけですから、判断基準も変わります。
また、地域によって患者さんの要求度も変わります。
歯科医師の考え方や技量は、
自らの患者さんの要求によって決まる部分もあるので、
歯科医師といえども、
そこには様々なタイプが存在するわけです。

 

 

実際、僕がとある地方のクリニックに見学に行った際、
僕なら抜歯せず保存するだろうなという歯を、
そのクリニックのドクターはすぐさま患者さんに抜歯を宣告していました。

一日の患者数が多すぎて、
細かい説明や治療に時間をかけていられないからです。
悩む時間すらないのです。

歯科医師の数が少ない地域の場合、
一日に対応する患者が多くなります。
この場合、患者一人当たりに使える時間も限られるので、
そもそも根本的な治療をおこなうことは物理的に難しくなります。

「ちゃんと」 が、それぞれの地域でも異なるわけです。

 

 

今から40年前、日本は歯科医師の数が足りない状態でした。
保険診療の仕組みは、それなりの患者数をこなすことを前提に作られたとも言えます。

 

 

歯科治療の入り口は、そのほとんどが「痛み」を取り除くところから始まり、
痛みを取り除いた後は、再び以前のような生活ができればいいという感覚が、
歯科医師側にも患者側にもありました。
いや、今もあると思います。

 

 

痛みに至った原因を追究し、
再び痛みが起きる可能性を排除しておこうという発想は乏しく、
痛みが再発すれば歯科医院に行けばいいという発想が、
多くの患者の感覚として
今も根強く存在します。

 

 

風邪をひいたら、病院に言って薬をもらえばいい。 
という感覚ではないでしょうか。

 

 

ところが、
数年~数十年にわたってこれを繰り返しながら、
歯を治療する箇所が増え、
最終的には歯を抜き、
義歯やブリッジに移行するケースが後を絶ちません。

 

 

自分の口の中の問題が、
いつの間にか大きな問題を抱えていることに気づいた時、
考えること、やるべきことの重大さに気づいた時、
歯科医療の問題に直面することになるわけです。

 

 

 

極端に聞こえるかもしれませんが
悪質な借金と似ていると思います。
歯の問題は、きちんと根本的に解決しない限り、
問題を先送りしているだけで、
いつか必ず、そのツケを払う日が来るわけです。

 

 

そもそも、人間にとって、歯科治療は必要のないもので、
食習慣や生活習慣がきちんと管理されていれば、
虫歯や歯周病になる確率はかなり低いのですが、
文明社会において、利便性を優先させるあまりに、
その代償として、様々な病気や疾患が生まれるわけです。

 

 

ただ、そうはいっても、
なかなか、この文明社会の中で生きている以上、
他に優先させなければならないことはあるわけで、
きちんとした食事をとることが
できるのはどうしても限られた人たちになる現実もあります。

頭ではわかっていても、なかなかできない。わけですね。

それでも、何かしなければなりません。
虫歯の問題、歯周病の問題は、普段の食生活やブラッシングと深く関わっているからです。

 

 

 

たとえば、砂糖の摂取を幼少の頃から控えるだけでも、
虫歯になるリスクはかなり抑えられます。 
虫歯を沢山抱えている子供の両親に、
食生活の内容を問えば、
砂糖の摂取がかなり多いことを認めます。

 

逆に、全然虫歯のない子供の場合、
間食もなく、砂糖の摂取も
かなり制限しているという報告を受けます。

 

 

お菓子を子供に与える理由を、
親はきちんと持つべきだと思います。
そこには、様々なリスクがあることを知る義務と責任があるのです。

 

 

歯科治療の前に、
まずは食事の内容と歯磨きの内容を見直すことから始めることが
何より重要です。
ここが最初のスタートポイント。

これができないとなると、
その先の歯科治療はもはや「運まかせ」
と考えてください。 
そこには予知性も計画性も初めからないことになります。

虫歯や歯周病にならない生活習慣を構築すること。
少なくともそのための努力をすること。

 

難しく聞こえるかもしれませんが、
「習慣化」すればいいだけのことなので、
できる人には、あっさりできることなのです。

 

 

 

これまでの歯科治療の歴史は、
そのほとんどが、
歯科医師も患者も「痛み」を取り除くことばかりに目を向けられてきました。

その結果、

1)日本人の口の中に対する健康意識はさほど変わっていないということ、そして今も、

2)歯科医療のほとんどが、根本的な治療ではなく、応急処置的な存在であること。

少し極論じみて聞こえるかもしれませんが、
この2つの事実を踏まえておくことで、無用な歯科治療を避ける考え方に結びつくようになります。

 

 

 

さて、、

審美治療と呼ばれる歯科治療は、
一般的な歯科治療とは対極的な治療です。

口元の美しさを創りだすための治療ですから、

応急的な治療とは正反対の治療になるわけです。
一般的な治療に比べて、時間とコストが何倍も必要になります。

 

 

痛みを取り除くばかりの歯科医師が突然審美治療を行ったところで、
きちんとした治療を施すにはかなり無理があります。

また、治療後の長期的安定も大切な成功条件です。

 

 

歯の形や並びを改善するときには、
歯科医師は様々な角度から考察しなければなりません。 
歯の形や歯並びにはそれぞれにきちんと理由があり、
「見た目」だけで判断すると、
そこにある機能のバランスが崩れ、
口腔機能に支障をきたす可能性が高くなります。

もともと、歯の形や歯並びは、

成長期における日常の生活の影響を受けて、ゆっくりとつくられていきます。

見た目が悪いというだけで、安易に形や並びを変えてしまうと、
その機能が失われるだけでなく、深刻な問題を発生させる可能性が生まれます。

 

 

審美治療を行う前に、

まず、現在の状態をきちんと考察し、
治療後のリスクをできるだけ事前に予測し、

問題が生じた場合の対処もきちんと用意しておくことが何より重要です。

一度変えてしまったものを、元通りにすることはできません。

 

 

新しい歯の形や、新しい歯並びは、

あくまでも歯科医師が任意でつくるものです。

 

歯科医師の考え方が未熟、
考察不足のままに治療を行ってしまうと、
新しい歯の形や歯並びは、
生体と調和できなくなる可能性があります。

 

痛みや不具合が直ちに生ずれば、対処も早くできますが、
問題が積もり積もってしまい、数年を経て発生した場合は、
身体側も大きな変化を生じていて、
改善すること自体がほぼ不可能だったり、
回復に長い時間と大きなコストが必要になることもあります。

 

 

歯を削り、良い材料で詰めたり、
被せたりすること自体はさほど難しい医療行為ではありません。

 

難しいのは、患者の生体機能を踏まえた上で、
適切な形、適切な並びをきちんと考慮できるかどうか? 
なのです。

これについては歯科医師によって考え方が異なります。
また、患者側にとっても専門的知識がないと、
なかなか理解するのが難しい現実もあります。

 

 

残念ながら、審美治療と称して、
実態は、医学的根拠を無視した方法で、
でたらめな治療を行う歯科医院も存在します。

これには様々なケースがありますが、共通する事項として、
あまりにも短時間、短期間で治療を行う傾向があると考えられます。

説明も乏しく、
患者さんが本当に知りたいことをきちんと伝えないまま、
治療を始めてしまうケースが少なくありません。

また、セラミックを用いてきれいに被せるのはいいのですが、
被せられる歯そのものに問題があるにも関わらず、
その問題を放置したまま
被せてしまうケースもあります。

 

歯を、口元を美しく見せようとすることは、
良いことだと思うのですが、
安易に行うと、かえって他の問題を生じてしまい、

取り返しのつかないことになるケースもあることを覚えておいてください。

では、どうすればいいのか?
本当の意味で優秀な歯科医師に治療を相談してください。

 

 

優秀な歯科医師は、
必ず患者さんにわかるように説明を行います。
また、決して治療を急がせません。
患者が抱えている問題点、患者が希望していることを、
医学的な意味に置き換え、患者さんに分かりやすく説明するはずです。

 

 

審美治療だけでなく、
時間やお金が多くかかるような治療であれば、
治療を始める前に、その治療の利点、欠点、将来のリスク、
問題が起きた場合の対処法など、事前にきちんと理解することをお勧めします。

同意書にサインをすれば、
そこから先は患者さん自身の責任も発生します。
歯科医師の言っていることをきちんと理解しないままに治療を始めてはいけません。

 

 

治療の目的、内容 期間、費用、利点、欠点、リスクの有無、
問題が生じた時の対処法や、

治療を通じて得られるもの、失うもの、など、できるだけ知っておいてください。

もちろん、あなたが心から信頼する歯科医師なら、

この限りではありません。全てを任せることも良いでしょう。

 

 

その治療が何をもたらしえくれるのか? 
何を約束してくれるのか?
こういう事を、できるだけ事前に明確にして、

なおかつそれを実行できる歯科医師ほど、
総合的に優れていると考えられます。

 

 

虫歯や歯周病の問題は、
一元論ではなく、多元論、つまり原因が一つではなく、
複数の原因がそれぞれに関与して起こります。

 

 

ゆえに、様々な角度から検証し、

各患者にあった予防法、治療法を考えなければなりません。

痛みや症状ばかりに気を取られてしまうと、
本当の問題、本質的な問題を外してしまうのです。

 

 

 

問題の本質を見極めること。

全ての鍵はここにあるのです

毛利先生写真

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院長 毛利啓銘
昭和46年11月19日生まれ
1996年東京歯科大学卒業

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